Disaster game【黒バスホラー】

Plan.6 ページ8

ゆっくり引き出しを開けると、中から真っ黒で丈夫そうな表紙の本が一冊出てきた。


それ以外は何も入っていない。


「これだけの様ですね」


「そうだな。それじゃあこれを皆で読もう」


そう言って皆の輪の中へ僕らは戻り、赤司くんと僕はそのまま隣同士で座った。


「赤司！なんか見つかった！？」


「小太郎！アンタちょっとは大人しくしてなさいよ！」


「だってこんな経験全く無いし楽しいじゃん！」


隣で赤司くんがため息をついた。

ご愁傷様です。


「あぁ、本を見つけたよ。今から読むから、全員聞いててくれ」


そう言ってそのまま真っ黒な本を開いた。



【ーーDisaster gameーー


Disaster gameの世界へようこそ。

貴方たちはクリアできるかな？

このゲームは貴方たちの中で1人でも生き残れたら貴方たちの勝ち、逆に貴方たちが全滅すれば負けという単純なゲームです。

え？意味が分からない？

仕方が無いですね、詳しく説明しましょう。

貴方たちが今いるこの施設は"ハイブ"という研究所です。

昔ここである事件が起き、廃墟となってしまいました。

その事件で生まれたものを全て消し去り、このハイブで生き残る。

ただそれだけでいいのです！

このハイブには様々な危険がありますのでご注意を！


もちろん、貴方たちに有利な条件もあるので大丈夫！


それではゲームスタート！】



「…って書いてあるな」


「赤司ぃ、その本よこせ。焼く」


「うっははwww宮地さん、気持ちは分かりますけど説明書焼いたらマズイっしょw」


宮地先輩の物騒な発言に爆笑する高尾くん。


「確かに、本なのにうざったいな」


「イ(ラ)イ(ラ)す(る)っスね！森山さん！！」


早川先輩は早口で何言ってるか分からないが、多分森山先輩に同意しているんだろう。

"その事件で生まれたものを全て消し去る"と言う言葉は少し引っかかりますね。


「それで、赤司。さっき言ってた"彼女"って言うのは誰のことなんだ？」


小堀先輩が尋ねる。

すると周りはシーンと静まり、誰もが赤司くんに注目する。


「その"彼女"と言うのは、緑間たちがさっき持ってきたカルテに記された人物です。彼女もトーマス・アルマンドと同じく、ここで実験体となった人間の1人で、実験No.2651の日本人。2歳の頃からここにいる様ですが、実験体としてT-ウイルスを打ったのは5歳の頃。トーマス・アルマンドは実験失敗となっていますが、彼女は実験成功している様です。その彼女の名前は







…A」

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