笑 門 来 福【HQ】【山口忠】【月島蛍】

昔話。 ページ20

月島side




「Aの両親ってプロのバレーボール選手なんだよ。ほらみんなも知ってると思うけど、
溝口選手っていう男子バレーと女子バレーの日本代表」


夫婦で日本代表の選手ということもあり、とても有名な選手である人たちだ。


「俺、溝口選手のフォーム一時お手本にしてた。でも、その2人って…」


「そうだ。10年くらい前になくなってる。しかも命日はAの誕生日。」


「「「っっ！！」」」


「Aの誕生日のプレゼントを買いに行った時に事件に巻き込まれて、


近くにいた子供を守ろうとして命を落とした。


世間からは、賞賛された。


でも、よく考えてみろ？


親がﾀﾋんだのに、世間からは賞賛の声。


Aは誰も責めることが出来なかった。


だからこそかもしれないが、Aは泣かない。


警察から全てを聞いてもAは泣かなかったらしい。


んで、溝口夫妻は俺の幼なじみでな。その縁もあって俺のとこで面倒見ることになったんだけど、


Aは一回も泣いているとこを見たことがない。


それどころかいつも笑ってるんだ。


多分だが、あいつは笑うことで過去を忘れようと、乗り越えようとしているんだ。


だから、その笑うことをバカにされたからすごく怒ったんだろうな。」



ああ、僕は…なんて酷いことを、言ってしまったのか…



後悔先に立たず。

思い出す、過去。→←べつに、怒らせるつもりなんてなかったのに。

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