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薔薇十字館殺人事件 ページ2

Aside




最近体調があまり優れない日が多かったため、この前病院に行ってみた。




そしたら例のごとく…




"おめでとうございます!妊娠されてますよ!"




"お父さんも、喜ぶと思います!"




と言われてしまった。




「はぁ…。」




部室に向かう途中の廊下で、立ち止まった。
はじめちゃんに伝えるべきか、迷いに迷って一ヶ月。




あの雪影中の時からだったから、中々言いにくくて、
伝えてるのは美雪ちゃんだけに言ってた。




「こっから…こっから、すげぇから。ほらほらほら…!」




真壁先輩の声が部室から聞こえて、思い切って扉を開けて中に入る。




「何してんの?」




「バラの実験?」




美雪ちゃんに聞いて机を見ると、一本の薔薇。




「吸ってる、吸ってる…。」




「すごいね。」




赤と黄色の液体がそれぞれ試験管に入ってて、
その試験管に薔薇の茎の方を指すとみるみる吸っていく。




「白い薔薇が二色に染まった?」




「どうだ?オカルティだろ〜?」




「何で?何で?何で?」




「これは、毛細管現象。茎から色水を吸い上げて花は染まる。」




「これ、小学校の授業で習うやつだよ。」




あ…確かに、思い出したかも。




「こんなの習ってないよ。」




「いや、習ったよ。どうせ、寝てたんでしょ?」




私ははじめちゃんにそう言いながら、美雪ちゃんの隣に座る。




「う〜わ、失礼な!俺が寝るなんてあるわけないだろ!」




「嘘つけ、いっつも寝てたじゃん。」




「あれは、寝たふりしてるだけで先生を油断させてるんです〜。」




「もう、先輩意地張るのやめましょうよ。」




「あら〜?誰も意地なんて張ってないわよ〜。」




強がってるな、はじめちゃんの奴。
ふと美雪と視線が合い、すぐに目線をずらした。

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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時

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