文次郎vs○○ ページ11
文次郎とAの間に無造作に割って入った小平太は2人を交互に見るとため息をついた
「まずA。お前は絶対手を出すな」
『…は?何言って、』
「お前が手を出せば、竹谷が一人で戦った意味がなくなる」
『…』
「竹谷は会議中ずっと、お前に恥じぬ様にと懸命に戦っていた。お前無しでもこれから先できると証明する為だけにだ
お前の竹谷を思う気持ちもわかる
だが竹谷の努力を、他でもないお前が無駄にすると言うのか?
それでは竹谷が報われないだろ」
たかが“会議”で。なんて思うかもしれない
それでも、一人の後輩が慕ってきた先輩の元から巣立とうとしているのを手助けするのは悪い事ではない筈だ。
『……確かに、そうだな。すまん少し冷静さを欠いてた』
「随分と竹谷に肩入するじゃねぇか小平太。
竹谷庇ってお前に何の得があるってんだ」
「竹谷には色々迷惑かけたからな。これぐらいどうって事ない。
それよりも、文次郎〜お前はオイタが過ぎる
途中から面白がってたの丸分かりだったからな
後で竹谷にごめんなさいしてこい
あと体育委員会の予算もっとよこせ!!」
ビシィッと、文次郎に向けて指をさす小平太
対して文次郎は「指差すんじゃねぇ!!」と、目の前に突き出されている小平太の指をはたき落とす
「どさくさに紛れて何言ってんだお前!!
ダメだダメだ予算はやらん」
「ちぇ、けち」
文次郎vsAから気づけば文次郎vs小平太になっていた。
蚊帳の外へと放り出されたAの隣にスッと立った長次が声をかける
「話は終わったか?」
『あ、長次。予算会議ご苦労様
見ての通りさ』
「…もそ、ここはいいからAは竹谷の所に行ってやれ」
気になっているんだろ?行ってやれ。
そう言えば、一瞬だけ驚いた顔をしていたAだったがそのあとすぐに頬を緩めて『ありがとう』と一言礼を言う
Aを送り出し、長次は未だ揉める二人の元へと近づいた
…
「大体お前はもっと備品を大事にしとけばそんな金なんてかからねぇんだよ!!少しは力加減ってものを知れ!!」
「これが私なのだから仕方ないだろ!諦めろ!!」
「じゃあお前も諦めろ!!」
「嫌だ!!」
「嫌だ!?」
「お前達、もうすぐ夕飯だ。食堂行くぞ」
「「え」」
時刻は逢魔が刻
各委員長達はおのおの解散して今回の予算会議は終了した
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時