止められるのは… ページ10
「話し合いだぁ?予算会議は終わった。あと言っておくが、俺にキレるのはお門違いだぜ?あれは竹谷の力不足の結果だ。お前も見てただろ」
Aが言おうとしている言葉をかき消し否定する。
確かに竹谷の動きは途中までいい線いっていたが所詮は五年。まだまだ技にも動きにも無駄が多い、それはこいつも知っている筈だ
そんじょそこらの覚悟を持ち合わせたとしても、一騎討ちをした段階でもう勝敗は決まっていたのだ
先輩としての威厳を保つ為、大人気ない事をした自覚はある。だが、現実の厳しさを教えて何が悪い
『別にそれで怒っているわけじゃない。予算とかどうでもいいんだわ
ただ俺は、お前の真摯に立ち向かって来た者に対する態度があまりにも子供染みてたから見苦しいと言いたいだけだ』
「…てめぇ。誰が見苦しいって?」
『なんだ、こんなに近くにいて聞こえなかったのか?
その耳はただのお飾りか?』
「あ”ァ!?」
『本当の事だろう。あー。短気は困る』
「…。そういえば、お前とは一度もちゃんとした決着はまだだったな」
Aの毒付いた言葉を挑発と受け取った文次郎のこめかみに青筋が立つ
二人を覆う空気もどんどん刺々しいものへと変わる
それは遠くから見ていた者たちにも伝わっていた。
……
………
「うっわ、潮江先輩めっちゃキレてんじゃん。A先輩何言ったんだろ」
「まぁ、AもAで目の前で竹谷が弄ばれた挙句ボコボコにされたからな。今は抑えてんだろうけどあれ相当頭にきてんじゃねぇの」
「止めなくていいんですか?先輩方。同期でしょ」
「あー無理無理。あれ止めようとすると骨何本あっても足りないわ
こーゆーのはな、専門家に任せたほうがいいんだよ」
“あんな感じで”そう言って鼻を啜りながら留三郎が指差す方向にはよく彼らの隣に立つ存在
『……後悔するぞ』
「はっ、誰に言ってんだ。それは俺のセリフだ」
『昔実技で俺に負けてびーびー悔し泣きしてた奴のセリフとは思えないな』
「おまっ!?いつの話してやがる!!」
『四年』
まさに新たな戦闘が始まろうとしていた、
その時ーー…
「そこまでだ!お前ら!!」
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伊綱(プロフ) - 紫さん» ありがとうございますありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです頑張りますっっ (2020年12月23日 12時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - この作品むっちゃ好きです。更新楽しみにしてます (2020年12月22日 3時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!とても嬉しいですっっ (2020年10月28日 15時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年10月28日 14時) (レス) id: 1d63efc7c2 (このIDを非表示/違反報告)
伊綱(プロフ) - 猫築かなめさん» ありがとうございます!!なるべく更新できるよう頑張ります (2020年10月23日 11時) (レス) id: f89eb70165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊綱 | 作成日時:2020年7月25日 13時