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本番まであと1時間。クオリティ重視の文化祭で演劇
をやればセットも衣装も本格的だ。そして俺は今と
てつもなく後悔している
「おまた〜」
ジュリエットの衣装に着替えたAを見たの
は今が初めて。周りの同級生と違って化粧っ気もな
い。女子力もない。だけどすれ違った人はみんな振
り返って2度見するぐらい美人だったことを忘れてい
た自分をひねりつぶしたい。いや無理だけど
ドレスを着て少しメイクもして髪を整えた
Aは、
それはもう息がとまるぐらい
本当に綺麗だった
「あれ、どうしたのみんな・・・・・・死んだ?」
「はっ・・・・・・意識とんでた」
「死んでねーよ」
「Aがアホで良かった…」
「聞こえてるし。・・・あれー?むっくん、むっくんもしかして!緊張してんのww?!」
「うるさい・・・」
ヤバい、これはヤバい・・・本番前にこんなの見せられ
たら、セリフ飛ぶかも
Aが言ってた緊張とは別の緊張を抱えなが
ら、残された時間で気持ちを立て直していった
そして遂に俺たちの前のクラスの発表が終わり、い
つかの司会が相変わらずテンション高めで6組の紹介
をした
「さぁ次は、クラスの演し物唯一の劇です!運動会では3年生までも差し置いてぶっちぎりの総合優勝した6組ですが、今回はどんな盛り上がりを見せてくれるのでしょうか!ではお楽しみください、題名は『ロミオとジュリエット』」
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作者名:シロ | 作成日時:2018年3月9日 19時