29-2 ページ29
.
なんていう茶番は置いといて、遂に私達は伏木蔵捜索第二ラウンドを開始した。
すっかり雨は止んだが相変わらず空は雲に覆われたまま。だけどそろそろ夜が明けるのか薄らと明るくなってきているようだった。
そんな中、ぐちゃぐちゃに
「ここが伏木蔵が居たと思われる対岸。ここで何か手がかりを探してほしい！」
漸く着いた例の川。雨が止んでもなお荒れ狂う川は、正直に言えばもう見たくなかったなぁなんて。
「わかりました！」
「よし！絶対見つけてやる！！」
だけど私の頼みを全員が快く引き受けてくれて、伏木蔵は愛されているんだなと実感した私は嬉しかった。
「さて、私も頑張らないとねぇ」
パチンと気合を入れるため頬を叩いて私は手がかりを探し始めた。
手がかり捜索からしばらく経ち、私は漸くそれらしきものを見つけた。
そこへやってきたのは瑠璃色の忍び装束。
「Aさん、何かありましたか？」
確か彼は……
「ああ、鉢屋くんか。これ見て」
「え、僕は不破雷蔵ですよ？」
「そーだね。いいからこれ見てよ」
こんなときまで欺こうとしなければならないとは変装の達人も大変だなと思う。まあだからと言って真面目に相手をするのは面倒なので適当にあしらうけどな！！
「少しくらい騙されてくださいよ……ってこれ！！」
つまらなそうな顔をしていた鉢屋くんだったが、私が指差す方を見るとその顔は一変し驚きに染まった。
「これって伏木蔵の足跡ですか！？」
「うん、随分前に見つけた伏木蔵の足跡と形も歩幅も同じだ。だから伏木蔵のもので間違いない」
「さすが、よく覚えてますね」
「まあね。それとこれ崖に向かって続いているでしょ？崖近くには凹みが2つ。きっとそれ膝の跡だろうから、膝を付いて崖下の川を覗いたんじゃないかな。あの子そういうことするの好きだから」
「でも崖から離れた足跡はないですよね？やっぱりAさんの仮説通り伏木蔵は……」
鉢屋くんの言う通り、伏木蔵の足跡は森から崖に向かう方向のものはあるが逆はない。だから私の立てた史上最悪のあの仮説通りだと思ってしまうのは仕方はないことだ。
しかしそれは、ここにある足跡が『子供のもの
「事実じゃないさ。やはりあれは間違っていた」
「何故そう言い切れるんですか……？」
何処となく不安そうな彼に、一丁私の推理でも聞いてもらおうかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レオン(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます。続きを更新しました！続編にてご覧ください。 (2022年8月3日 15時) (
レス) id: bc25bf8dca (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年7月30日 14時) (レス) @page47 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！更新を喜んでいただけて嬉しいです！これからも頑張ります！！またご指摘もありがとうございます。訂正いたしました！ (2022年7月5日 21時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 更新嬉しいですー！ 29-6の夢主さんの説明のところ「高いく」は「高く」ではないでしょうか？ 一応お伝えしときます。これからも無理のない範囲で頑張って下さい！ (2022年7月5日 16時) (レス) @page34 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
レオン(プロフ) - マイさん» コメント、そして応援ありがとうございます！面白い、好みと言っていただけてとても嬉しいです！！これからも頑張りますのでお楽しみいただければ幸いです！ (2022年7月3日 10時) (レス) id: fc3a292471 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
