【忍たま】姉は弟になかなか会えない 5

28：隻眼の忍びとの出会い ページ18

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「これ以上アイツの話をするな。ぶっ飛ばすぞ」


自分でもびっくりする程低い声が出たなぁと思った。同時に目の前でフリーズしたまま動かない尊奈門を見て、やっちまったとも思った。

そしてそれ程話しの中心人物が苦手なのだと改めて実感した。





尊奈門が長々と、そして熱く語ってくれたのはタソガレドキ忍軍組頭の雑渡昆奈門のことである。どんな人物で、どれ程の実力を持っていて、どのような功績があるのかを事細かに教えてくれた。頼んでもいないのに。

私は組頭の名前だけ知れればよかったのだが、尊奈門は頼んでもいないのに(2回目)あれもこれもとずっと話していた。


「組頭はとにかくお強いんだ！腕が良いのはもちろんだが、知識も豊富！！マイペースなところが玉に瑕だがそれでも尊敬できる人でな！？」


止まることなく頼んでもいないのに(3回目)組頭について語る尊奈門に私は一切口を挟まない。今回は久々知くんの豆腐語りの時のように口を『挟めない』のではない。『挟まない』のだ。

何故かって？

それだけアイツの話をしたくないんだ！！





脳裏に浮かぶのは茶色い忍び装束を着た大男。

いつからかは忘れたが、ふらっと現れては手土産片手に何度も勧誘してくる不審者。

そして何度撒いてもいつの間にか背後にいる優秀な忍び。


彼の包帯に覆われた顔から覗く右目は、いつも楽しそうに弧を描いていた。

私はそれが苦手だ。

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