バレンタイン3 ページ40
バレンタインの日まであと2日
二人は早速部員たちがいない食堂で調理を始めた。
御幸「で、何を作りたいわけ?」
エプロンに身を包んだ御幸が調理器具を出しながらAに聞く。
『人数多いから出来れば一回に沢山作れるものがいいわね』
御幸「うーん...ならクッキーとか?一枚の生地で何個も作れるし」
『なんか普通ね』
御幸「じゃあティラミス」
『難しそうだから却下』
御幸「却下ってなんだよ!」
『もっと簡単にできるのないの?』
御幸「我儘か!」
御幸の提案に却下を入れ続けるA。
参考にスイーツ本をめくるも簡単そうなものは見当たらない。
御幸「ならチョコレートケーキはどうだ!」
『...本気で言ってる?』
御幸「当たり前!チョコレートケーキなら生地作ってオーブン入れればできるしな!」
『それならあたしでもできるかも』
御幸「よし。そうと決まれば試作すんぞ」
『おー!』
Aは冷蔵庫からバレンタイン用に買っておいたチョコレートを出すと御幸の指示に従いながら調理を進めていった。
〜1時間後〜
御幸「...マジか」
その声は普段の御幸からは想像できないほど低く落胆しきっていた。
その原因は二人の目に移るソレ。
御幸「一応聞く。これ何」
『...チョコレートケーキです』
御幸「俺の知ってるチョコレートケーキはこんなに黒くねえし焦げ臭くもねえんだけど」
御幸はソレをじっと見つめる。
Aは確かに御幸の指示通り調理をした。
なのに完成したのは今までに見たことない真っ黒に焦げた物体だった。
御幸「はっはっは!お前本当に菓子作れないのな!」
『お菓子だけは作ったことないの!』
御幸「だとしても酷すぎ!」
『悪かったわね!下手くそで!』
自分でも正直ここまでできないとは思わなかった。料理には慣れてるしはっきり言えば簡単に作れると思ってたんだ。
なのにこの有様。
Aはもう一度やり直そうと一から材料を揃え再び御幸に教えてもらった通り作り始めた。
だが
『なんで上手くいかないの...』
2度目の挑戦も儚く終わりまたも焦げた真っ黒な物体が出来上がってしまった。
これにはさすがの御幸もため息。
その姿を見てAは途端に申し訳なくなった。
時計を見れば夜の11時。御幸も部活終わりで疲れているはずなのにこんな時間まで付き合わせてしまった。
『ごめん一也。もう遅いから部屋戻って』
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Sum(プロフ) - Yumiさん» ありがとうございます!これからも一ノ瀬ちゃんを応援してあげてください!笑 (2016年2月27日 16時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
Yumi - 風邪治って良かったです(^^)一ノ瀬ちゃんめっちゃカッコイイし憧れます//// 新作も読みます!! (2016年1月13日 23時) (レス) id: eeb79fd88a (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - 愛梨さん» そう言っていただけて本当に嬉しいですヽ(;▽;)ノ是非これからも読んでいただけたらと思います! (2016年1月4日 23時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 久しぶりに、占ツク見てみたら続編出てたので、一気読みしちゃいました(●´艸`●) この作品が大好きなので、続きがたのしみです!これからも、頑張って下さい*_ _)♪ (2016年1月4日 22時) (レス) id: a422c79f90 (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - さえ*°。・:+°さん» 毎回コメントありがとうございます!!精一杯頑張ります! (2016年1月4日 19時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sum | 作成日時:2016年1月4日 15時