最強少女は俺らの女神！.５【ダイヤのエース】

見つけた！ ページ36

試合を明日に控えた夜、Aは今日もナベと一緒に王谷の試合ビデオを見ていた。




ナベ「わかってたけどここまで見ても弱点が分からないとは結構難しいチームだね」


『うん。けど豪ちゃんには絶対負けたくない』


ナベ「そうだね。...あ、そういえばさ」


『ん？』


ナベ「なんか沢村がチェンジアップの練習してるの知ってる？」


『え！？』




思わず椅子から立ち上がるA。ナベは「やっぱり知らなかったんだ」と笑っている。




『いつから！？』


ナベ「今日の練習終わりから」


『急すぎでしょ！試合は明日なのよ！？』


ナベ「でも面白いことになってるみたいだよ？さっき少し見たけど上手くいけば明日の試合でも使えるかもね」


『本当に！？』




途端にAの表情が嬉しさに包まれた。




『もし栄純がチェンジアップ投げれるのなら状況が一気に変わるわ！』




そう言うと今まで止まっていた手がサラサラと動き紙に文字を綴っていく。




ナベ「なんかAのやる気上がったね」


『勿論よ！1年があれだけ頑張ってるんだもの。あたしもその期待に応えないなんてひどい裏切りだわ』


ナベ「それを言うなら"あたし達"ね？」




ナベはAに微笑むと再びビデオを巻き戻した。







そしてついに




『見つけた！王谷のクセ！』


ナベ「本当に！？」


『えぇ！これ見て！』


ナベ「...本当だ。凄いよA！」


『そんな事ないよ！けどこの収穫はきっと役に立つはず！』


ナベ「うん！すぐにメモして選手たちに伝えなきゃね！」




二人はそのクセを入念にノートに書き記す。
しかしずっとデータ集めしていたせいか襲ってきた睡魔に気を失うようにして机に伏せてしまった。









倉持「はよーっす」




翌朝、試合前ミーティングをするため部員たちが食堂へ集まってきた。




御幸「え、Aとナベ？」




一番に目に飛び込んできたのは大量の書類に囲まれた中で机に突っ伏している2人の姿だった。




沢村「さ、殺人事件っすか！？」


倉持「な訳ねえだろ！」


降谷「そんな...A先輩」


春市「二人とも寝てるだけだから！」




アホな一年2人が騒いでいる中御幸が開きっぱなしの一冊のノートに手を伸ばす。




御幸「！...これ」


前園「なんや？...ってこれまさか」


御幸「あぁ。この2人やりやがった」




御幸が見たページにはしっかりとした文字で"王谷のクセ！"と書かれていた。




御幸「ありがとな、二人とも」

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