意味がない ページ21
鵜久森戦を明日に迎える今日も選手たちは一丸となって練習に励んでいた。
「さこーい!」
「まだまだぁ!」
だがその中に一部、いつもとは違う空気を纏う者たちがいた。
沢村「なぁ春っち」
春市「なに?」
沢村「なんか、先輩たちの空気悪くねえか?」
春市「...うん。僕もそう思う」
そう。
昨日の騒動があり食堂の場にいた2年は朝から機嫌が良くなかった。
沢村はそっと近くにいたAの元へ行き話を聞いてみた。
沢村「あの、A先輩」
『ん?なに?』
沢村「先輩たち何かあったんスか?」
沢村の質問に視線も顔つきも変えないまま『何も無い』と答える。
沢村はあまり納得する様子は無かったがひとまず返事をしてブルペンへ向かった。
二人のやりとりを守備していた倉持が見ていたらしく休憩になった時Aの元へ駆け寄ってきた。
倉持「沢村になんて言ったんだ?」
『別に。何も無いって言っただけよ』
倉持「てかよ、お前あれから御幸とゾノと会話してねえだろ」
『えぇ』
倉持「結構気まずそうにしてるぜ?」
チラッとベンチにいる二人の姿を目で捉える。視線こそ合わなかったが気分が下がっているのは目に見えるように分かった。
『あっそ』
倉持「あっそってお前なぁ...」
『主将同士、もうそろそろあたしに頼ってたら意味ないよ。今までたくさん口出ししてきたけどそれももう終わり』
倉持「終わりって、もうずっと黙ったまんま見てるって事かよ?」
『大会中は指導もする。けどチームのことは一也とゾノ、洋一の3人でやってかなきゃならないの。あたしがいなくなってもチームは無くならないんだからね』
そう話したAの目はどこか遠くを見つめていた。
結局その日の雰囲気は変わらないまま1日が終わった。
監督もその異変に気づいたがAの説明で何も言わないことを約束してくれた。
試合当日、Aは三人のマネと一緒に荷物を詰め出発の準備を進めていた。
唯「部員たちのお昼ってもう準備できてる?」
『うん。今日は唐揚げ弁当にした』
幸子「ノリが喜ぶね!けどなんで唐揚げ?」
『今日の試合は結構疲れると思うから。試合後にはがっつりとね!』
春乃「疲れる?いつもと同じような試合とは違うんですか?」
『えぇ。なんせ相手は曲者揃いだから』
そう言い終えたと同時に集合の合図が出された。
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Sum(プロフ) - Yumiさん» ありがとうございます!これからも一ノ瀬ちゃんを応援してあげてください!笑 (2016年2月27日 16時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
Yumi - 風邪治って良かったです(^^)一ノ瀬ちゃんめっちゃカッコイイし憧れます//// 新作も読みます!! (2016年1月13日 23時) (レス) id: eeb79fd88a (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - 愛梨さん» そう言っていただけて本当に嬉しいですヽ(;▽;)ノ是非これからも読んでいただけたらと思います! (2016年1月4日 23時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
愛梨(プロフ) - 久しぶりに、占ツク見てみたら続編出てたので、一気読みしちゃいました(●´艸`●) この作品が大好きなので、続きがたのしみです!これからも、頑張って下さい*_ _)♪ (2016年1月4日 22時) (レス) id: a422c79f90 (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - さえ*°。・:+°さん» 毎回コメントありがとうございます!!精一杯頑張ります! (2016年1月4日 19時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sum | 作成日時:2016年1月4日 15時