水臭い ページ9
翌朝はいつもよりスッキリと目が覚めた。
今日でしばらくマネージャーの仕事をすることはなくなる。
Aはパチンッと顔を叩いてガチャっと扉を開いた。
『頑張ろ!』
道具を一つ一つ丁寧に磨きキッチリと並べた。
練習が始まり、Aはプレハブの中から今行われている監督ノックを見ていた。
『追い込んでるわね〜』
汗水流しながら必死に食らいつく選手たち。見てるこっちも疲れてしまいそうだ。
『打線は水モノって言われるけど、1番ムラが出ないのが守備だからね。きっとチームの基礎作りを徹底してるのね、監督は』
監督の後ろ姿を見ながら笑う。
『今のチームにあたしが出来ること...』
ふと心の中で自分に問いかける。改めて考えてみると、自分は選手たちにとってどんな存在なのだろうと考える。
暑い中一生懸命頑張る選手。裏で様々な働きをしてくれている礼ちゃんや太田部長。
そして全体を指揮して選手一人一人も大切にしてくれる片岡監督。
あたしはみんなに何をしてあげたのだろう。
じっと頭を悩ませているとコンコン、とプレハブの扉がノックされた。
『どうぞ〜』
ガチャっと扉が開きそちらに目をやるとマネージャー達がいた。
珍しい、と思いながらも体をそちらへ向けた。
幸子「肩の調子はどう?」
『まぁまぁかな』
心配そうな顔をしている幸子に笑顔でかえす。
唯「ねぇ、明日から2週間アメリカに行くって本当?」
『え?』
なんで知っているの、と心臓が高まった。まさか倉持?そんなわけないよね。
『な、なんで?』
唯「高島さんから聞いた」
礼ちゃん...。なんで言うかな。
春乃「水臭いじゃないですか!せめて私たちにだけでも話してくださいよ!」
『...ごめん』
幸子「あんた居ないと選手たちのメニューとかご飯どうすればいいのよ全く...」
幸子の言葉にハッとした。
『そうだ!それだ!!』
Aは大急ぎでパソコンに向かった。
唯「え?ちょっとA?」
『黙ってたのは謝るわ!けど、2週間で帰ってくるから!それまでみんなのことよろしく!』
カタカタとキーボードを押しながら三人の顔を見て笑う。
それを見た三人は少し戸惑いながらも「うん」と首を縦に振った。
春乃「それで、なにを思いついたんですか?」
後ろから春乃がパソコン画面を覗き込んできた。Aはニッと見返す。
179人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
友結(プロフ) - 部屋に入るときは「May I come in ?」の方がいいと思いますよ。今後も更新楽しみにしてますね! (2015年8月27日 17時) (レス) id: afe918f5d8 (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - ユキさん» はい!頑張ります! (2015年8月25日 20時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
Sum(プロフ) - yumiさん» ありがとうございますT^T (2015年8月25日 20時) (レス) id: 3e3b403e1f (このIDを非表示/違反報告)
yumi - 続編おめでとうございます!!!!!!合宿お疲れ様です。大会頑張ってください!!!!こらからも、応援してます!!!! (2015年8月25日 18時) (レス) id: f8de35e58a (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 主人公ちゃんかっこよくて憧れます!これからも頑張ってください! (2015年8月23日 0時) (レス) id: 07f3d6bab7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sum | 作成日時:2015年8月22日 18時