みんな待ってんだよ (ページ13)

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Last story___13 ページ13

練習試合の音が3階の校舎まで聞こえてくる
バッシュの音笛の音ボールの音何より選手達の声

全部が懐かしくて心が踊るそこに行きたいやりたい立ちたい強く願えば願うほど叶わない夢って思ってしまう

いつの間にか声も音も聞こえなくなって代わりに選手達のおしゃべり声が聞こえてくる恐らく試合が終わり続々と体育館から出てきてるんだろう

「涼香ちゃんもそうのはずッスよ？」

「いや？結構??」

聞こえてくるはずのない会話が風に乗って3階私の耳まで届く途切れ途切れだけど誰の声かはすぐに分かった

懐かしい

その一言が私を動かす目標を潰した代わりに新しい目標を持つ後押しをあの3人がきっとこれからの女バスに大きく貢献するその1歩になると信じて

『素直になれーー』

窓から大きな声で叫ぶすると目をおっきく開けてすぐに私のことに気づき戸惑う(心陽)がいた

そして女バスの頂点にいて欲しいと伝えた
私がそこに行くまで行けるはずもないのにそれでも大きく飛び立つ彼女たちの背中を押すには
この＂嘘＂が必要だった

それでも彼女私に前を走って欲しいっと言う
その言葉を聞くと下にいた青峰くんは私によっ？っと挨拶するように手を挙げる

でも私には＂言っただろ早く戻れバスケに＂って言ってるようにしか見えなかった……。

「あんなこと言っちまって大丈夫だったのか？」

『戻るって話？』

次の日教室でふっと騒ぐクラスメイトを見ながら聞いてくる青峰くん

『……嘘でもあの3人が戻るきっかけになってくれるならどんな悪者にでもなる』

「アイツらが望んでんのはんな事じゃないと思うけどな」

そんなことは分かってるそれでも私ができることなんて限られてるからせめて3人はって思ってしまう

『そろそろ夏休みかぁ～～』

「バスケ楽しみにしてっから」

『強いようちの弟は』

そりゃそうだっと言って笑う青峰くんどんなに実力差が開いても青峰くんにとって修は先輩なんだなぁって感じた