花火大会 ページ15
｢きゃー！綺麗ね！｣
｢うんうんそうだねぇ！もちろんエリスちゃんも可愛いよぉ！｣
｢キモイー！｣
花火大会。
いつもの洋装と違い和装である浴衣を着込み、エリス、鴎外、Aの三人は夜空に咲く花を見ていた。
鴎外ははしゃぐエリスを微笑ましく見ていると、隣のAが静かなことに気づいた。ちらりと視線をやった。途端、息が止まったような気がした。
光に照らされたAの横顔、暑さで火照った肌、それに加え浴衣。
あまりにも美しく、ただ見とれていた。
鴎外の視線に気づいたのか、Aが横目で鴎外を見た。少し伏し目がちでどこか色っぽさを覚える。が、すぐに体ごと鴎外の方へ向いた。
｢すごく綺麗ですね。｣
その瞬間、衝動が抑えられなかった。
Aの後頭部に手を添え、顔を近づけた。察したようにAは目を閉じる。
目を閉じた顔も綺麗だと思うのは、溺れすぎだろうか。
｢…君も、負けていないと思うがね。｣
頬を撫でると、Aは赤に染まっていく。
｢っ…もう｣
いじけて頬を膨らませる姿が可愛くて思わず笑ってしまう。
｢もーう！リンタローウ！A！2人して何してるの！！そろそろ花火終わるわよ！｣
エリスの声で我に返り、鴎外とAは空を見上げた。花はどこにも咲いていない。フィナーレの準備が始まるアナウンスが聞こえた。
｢ごめんよぉエリスちゃん！そうだ、綿菓子でも食べるかい？｣
｢林檎飴がいい！｣
鴎外はAの手を取り、1人で歩いていくエリスを追いかける。
すると、フィナーレに相応しい大きな花火が、何発もあがり始めた。
花火の下で歩く三人は、一組の家族のようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あとり(プロフ) - さらささん» ありがとうございます；；ちょっぴり苦いお話にしちゃってすみません；私の確認不足でした… あああ本当ですか！嬉しいです……！！これからも精進して参ります！ (2019年12月15日 19時) (
レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
さらさ - すてきな話をありがとうございます 森さんも夢主ちゃんもお互いに想いあっているみたいだけど色んな思いが交差してもう一歩踏み出せない感じですね リアル感があってとてもいいです いやあ 作者様の文才がうらやましいです これからも無理のない様に頑張って下さい (2019年12月13日 15時) (レス) id: a0220cc930 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 白しらすさん» ありがとうございます！！とても嬉しいです…！ (2019年10月26日 17時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
白しらす(プロフ) - ( ﾟ∀ﾟ):∵ｸﾞﾊｯ!!かわいい...かわいいぞここの森さん！！！！！好き！！！！！！ (2019年10月25日 1時) (レス) id: 71d6bb7d16 (このIDを非表示/違反報告)
あとり(プロフ) - 凛さん» ああああありがとうございます；；上手くかけてるかとても心配だったので嬉しいです；；こちらこそリクエストありがとうございました！ (2019年10月18日 21時) (レス) id: e8ffd9f451 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あとり | 作成日時：2019年6月16日 23時
