はじめまして ページ6
「みんな、ちゅーもーく!」
ようやく収まってきた喧騒の中で、ミラさんが声を張り上げる。
「新入りのAちゃんよ、みんな仲良くしてあげてね!」
「ちゃん、って事は女か?」
「おぉ!」
「よろしくなー!」
「よ、よろしくお願いします!」
不本意ながら加入したものの、歓迎されるとやっぱり嬉しい。
「お前!」
「は、はい!?」
近寄ってきたナツさんに手を掴まれた。顔が赤くなるのはただ単に男慣れしてないだけだから!恋とかじゃないからそこんとこよろしくぅ!!
「オレ、火竜のナツだ!よろしくな!」
「う、うん、よろしく…!」
「よろしくする必要はねぇ」
「おわっ!?」
「あっ、ラクサスこのやろ!」
なんか機嫌悪そうなラクサスさんに引っ張られてギルドを後にする。まだ挨拶しきれてないのに!
「ラクサスさん痛いです!離してください!」
「…さん付けやめろ」
「え?」
「ラクサスでいい」
「ら、ラクサス!」
言われた通りそう呼べば、少し機嫌は良くなったらしい。よくわからないけど。
「…そういやお前、住む家あんのか?」
「ない!」
「なんで威張るんだ」
「だってボク放浪人だからね。行くとこ行くとこで宿借りてたから」
この街に拠点を置くなら部屋を借りた方がいいかな。でも、最近仕事があんまりなくて金がないんだよなあ…どうしよう、と考えてると、いつのまにか目の前には豪邸が。
「でかっ!こ、ここは?」
「オレん家」
「マジか!!」
すげえの一言だわ。こんないい家に住んでるなんて…さすが大魔導士は違うな。
「じゃあボクはここで…」
「何言ってんだ。お前も来るんだよ」
「いやアンタが何言ってんの!?」
「しばらく部屋は貸してやる。収入が安定して家でも部屋でも買えるようになるまでだがな」
「そんな、悪いよ!それにボクこう見えて女…」
「ガキに手を出すほど飢えてねえから安心しろ」
「そ、それはそれでムカつく…!!てかガキじゃないし!!」
「いいからさっさと入れ。てめぇに拒否権はねえ」
「なんでさ!?」
今日知り合ったばかりの男と一つ屋根の下で暮らせと?しかもこの超俺様ドS様な男と?正直生きられる気がしないです。でも、ボクに拒否権はないらしいから仕方ない。下手に逆らってまた虐められたくない。一応宿貸してくれるわけだし。
「よ、よろしくお願いします」
「…あァ」
こうして波乱な日常が幕を開けたのだった。
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白 - 続きが気になります (2023年3月27日 7時) (レス) @page16 id: 574270cb2a (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 久しぶりに読んだけどとても面白いです。続きは在りませんか (2022年11月19日 18時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 続きが読みたいです!更新はないですか? (2022年8月18日 21時) (レス) @page24 id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 続きがめちゃくちゃ気になります。 (2019年7月21日 21時) (レス) id: 69b03814fe (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - 続き気になります! (2019年7月6日 8時) (レス) id: 1809d36fc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:世奈 | 作成日時:2019年1月3日 13時