雷娘の災難

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妖精の尻尾ページ5

「…ラクサスさん」

「あ？」

「ここは？」

「見てわかんねえか？」

わかるよフェアリーテイルでしょ。

「なんでここに来たんですか」

「今日からお前はここの魔導士だ」

「えぇ？！」

いや、見てみたいとは思ってたけど入るつもりはないぞ？！と抗議の目を向けるも、黒い笑みと共に雷を纏った手を見せびらかされたら何も言えない。

「返事は？」

「あい」

こうなったら仕方ない、腹をくくろう。
と、一歩を踏み出す。

___ドカァァン！！！

「いい加減にしろクソ炎ォ！！」

「やんのかタレ目野郎ォ！！」

「貴様らァ！漢なら拳で語れぇえ！！」

「喧嘩かい？腕がなるねぇ」

___バキッ！！ボコォォン！！

「…えぇー…」

「何ボーッと突っ立ってやがる。こっちだ」

「あ、スルーなんだ」

涼しい顔で喧騒の横を素通りするラクサスにピッタリくっついて行く。絶対に巻き込まれたくない。

「おい」

「あら？…ラクサス…！帰ってたの」

(ハッ…！雑誌で見た人！なんて美人なんだ…！)

「新入りだ」

「え？」

すごい驚いた顔で見られた。なんだろ、ボク変な顔してるのかな。

「…あ…ごめんね。ラクサスが誰か連れてくるなんて初めてだからビックリしただけよ」

「余計な事言うな」

「えっと……ボク、A・リールスです。女です。
よろしくお願いします！」

「Aちゃん、ね？私はミラジェーン、ミラって呼んでいいわ。よろしくね」

「は、はい！」

おぉ、ラクサスさんと違って優しい人だ！と感動してたら睨まれた。エスパーか。

「生憎マスターは留守なのよ。仮にギルドマークだけ付けておくわね。どこがいいかしら？」

「えっと…じゃあ…ここで」

「オッケー！」

「ラァァクサスゥゥーーー！！」

脇腹にギルドマークを押してもらってる間に桜色の髪の人が飛び込んで来た。

「オレと勝負しろォー！」

ゴォッと炎を纏った拳で殴りかかる。
火の魔導士か！かっこいい！雷になったラクサスさんには余裕でかわされたけど。

「ぬぉ！！」

思い切り空振った火の魔導士さんはゴロゴロ転がって壁に激突してた。
痛そう…。

「逃げんじゃねー、勝負しやがれ！」

「ザコに興味はねぇよ」

「なんだとコノヤロウ！！」

「やめとけナツ」

「おめーじゃまだラクサスには勝てねーよ」

ワハハと豪快に笑うおじさんたちがナツ？さんを止めてる。なんだか胸がほっこりした。

(あったかそうなギルドだなあ…)