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消えた依頼書 ページ15

「マスター!大変です!!」



ある日、ミラが慌てたように二階から顔を出してマカロフを呼んだ。



「どうした?」

「S級ボードから、S級クエストが消えているんです!誰にも受理されていないのに…」

「なんじゃと?!」



その言葉にざわめきが起こる。
新入りのボクでも、体験したからS級の辛さは多少なりとも知ってる。ラクサスと一緒だったからよかったものの、もし実力が不十分な人が受けたなら、これは一大事だ。



「グレイ、ダメだよ取っちゃ。早く返して」

「いやオレじゃねえよ!」

「だよね…じゃあ一体誰が…?」

「…風でどっか飛んでったんじゃねえのか?」



グレイと首を傾げてたら、二階で煙草をふかして踏ん反り返ってたラクサスがこっちを向いた。なんだなんだ、何か知ってるのか?



「オウ…それなら昨日の夜、ネコがちぎっていったのを見たぜ。羽の生えた…な」

「え…」

「羽の生えたネコ……ハッピー!?」

「つーことは、ナツとルーシィも一緒か!」

「アイツら…!」

「バカだとは思ってたけど……」



ザワザワと困惑の声が上がる中、ミラはラクサスに詰め寄った。



「知っててどうして止めなかったの?!」

「…オレには泥棒猫が紙キレくわえて逃げていったようにしか見えなかったんだよ。まさかあれがハッピーでナツがS級行っちまった…なんて夢にも思わなかったぜ」



全く悪びれもせずそう笑う彼に、ミラの表情は一気に険しくなった。温厚な彼女の今まで見たことのない、怒りの顔だった。



「お?アンタのそんな顔、久々に見たな」

「……」

「…まずいのう……それで、無くなった依頼書は?」



マスターが促すと、ミラはラクサスを睨んだまま答えた。



「呪われた島…ガルナです」

「悪魔の島か!!」

「あ、悪魔の島……?!」



マカロフの焦りに、ギルドのメンバーも只事ではないことを悟る。マカロフは珍しく焦りを露わにし、カウンターから飛び降りた。



「ラクサス!連れ戻してこい!」

「冗談…オレはこれから仕事なんだ。テメェのケツを拭けねえ魔導士はこのギルドにはいねえ、だろ?」

「今ここにいる中で、お前以外、誰がナツを力尽くで連れ戻せる!?」



___ダァンッ!!



机に拳を叩きつけて立ち上がったのは、Aと同じテーブルにいた氷の魔導士、グレイだった。



「そいつは聞き捨てならねぇなぁ」

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- 続きが気になります (2023年3月27日 7時) (レス) @page16 id: 574270cb2a (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 久しぶりに読んだけどとても面白いです。続きは在りませんか (2022年11月19日 18時) (レス) id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 続きが読みたいです!更新はないですか? (2022年8月18日 21時) (レス) @page24 id: 9084a50d79 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 続きがめちゃくちゃ気になります。 (2019年7月21日 21時) (レス) id: 69b03814fe (このIDを非表示/違反報告)
紫月(プロフ) - 続き気になります! (2019年7月6日 8時) (レス) id: 1809d36fc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:世奈 | 作成日時:2019年1月3日 13時

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