【NARUTO】愛は心を壊す病のように

愛病 百十話 ページ10

｢何なの、あの技...?!それに凄い音が...｣

兄さんの新技に私たちは驚きを隠せないでいた

あんなにチャクラが目でハッキリ見えるなんて

｢"ただ"の突き...｣

｢しかし、木の葉一の技師...コピー忍者、カカシ唯一の"オリジナル"技｣

...先生の唯一のオリジナルの技

ガイ先生によると、あれは暗殺用の技で

膨大なチャクラが一点へ集中することで、突きのスピードが相俟って

チッチッチッと千もの鳥の地鳴きにも似た独特の攻撃音を奏でることから

あの技は"千鳥"と呼ばているらしい

またの名を雷切

本当かどうかは定かではないけど

先生があの術で雷を斬ったという事実に由来する異名だと言う

サクラちゃんが言っていた通り、私たちの理解の範疇を超えているが、凄い技だと言うことは分かる

だけど、あんな技、そう何回も出来るものじゃない

あんなの乱発してたら、大怪我どころじゃ済まないわ

...兄さん、無茶しないといいけど









｢うわああ!!血がぁ...オレの血がぁ!!｣

なっ、なに?!

砂の防御を兄さんが突破った後、いきなり我愛羅さんの叫び出す

兄さんも異変を感じたのか、手を抜き少し距離をとる

暫くして、砂の防御が解かれる

そこには、肩の傷を手で抑えている我愛羅さんの姿があった

｢?!｣

なにこれ....羽根....？

急に上から落ちてくる何枚もの羽根

これって...まさか....

｢解!!｣

幻術だということに気付き、私はすぐさま幻術を解く

周りを見るとほとんどの人が幻術にかかっており、近くでは先生たちとサクラちゃんくらいしか起きていなかった

｢なっなに?!｣

突然、凄い物音がし、仮面を着けた数名の人が動き出したかと思うと、風影と思わしき人物が火影様を屋根の上へと連れ去ってしまう









｢カカシ、結界内をよく見てみろ！｣

｢......大蛇丸!!｣

大蛇丸?!

な、何であの人が火影様を....

一体、何が.....！

｢サクラちゃん！危ない!!｣

｢え？｣

音隠れの忍二人がサクラちゃんに襲いかかる

それにいち早く気付いた私は、サクラちゃんの元へ瞬身で飛びその二人を刀で仕留める

｢ツバサ！少しの間、サクラを頼む、敵の数を減らすから｣

｢はい！｣

先生に言われ、私は返事を返しながら構えを取った

｢ごめんね、ツバサ、私、ボーッとしてて｣

｢兄さんのことが気になるのも分かるけど、今は目の前のことに集中してね｣

｢なんで分かるの?!｣

｢何となく！｣

図星を突かれて酷く驚くサクラちゃんに、私は笑みをこぼした

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