愛病 百四話 ページ4
「まさかあのナルトが本戦まで勝ち進んで来るとはなぁ...で、そんな端っこで何してんだ、お前」
控え室の端で"人"という字を掌にかいては呑み込みを繰り返していると、そう言いながら奈良君がこっちを向く
「だっ、だって....」
「たくっ...ビビり過ぎだっつーの。ここまで勝ち上がってこれたのは運なんかじゃねぇ、紛れもないツバサの実力だろ」
「そ、そうだけど...」
「もうちょい自信持てって」
"無理なものは無理だもん"と言い返そうとしたときだった
『泣き虫でビビりだけど、お前は優しくて強い子だって俺は知ってるよ』
『だから、もう少し自信を持て、ツバサ』
いつの日か先生に言われた言葉が、私の脳を駆け巡る
何故かは分からないけど、次の瞬間、不思議と心のモヤが吹き飛んだ気がした
それから胸の内側が段々と温かくなってくる
なんでだろう、先生のことを考えてるだけなのに
「有難う、奈良君」
これがサクラちゃんやいのちゃんが言ってた恋のパワーってやつなのかな
一回戦目はうずまき君が全ての点穴を突かれ、日向ネジさんの圧勝に見えたが、うずまき君の逆転勝利に終わった
次は兄さんの試合だったんだけど...
まだ先生も兄さんも来ていなくて
このまま相手の不戦勝になってしまうのかと思っていたら、兄さんと砂隠れの人の試合は後回しにするとか何とか
しかも、その後の油女君の対戦相手が棄権するって言い出して
奈良君と砂隠れの女の人の試合をすることになった
...急展開過ぎる
「っ?!」
手すりを握り前のめりになって何か考え事をしている奈良君
奈良君のことだから、オレも棄権しようかな、なんて考えてるんだろうな、なんて
「よっしゃー!シカマル、頑張れってばよォ!!」
そう言って奈良君の背中を強く押すうずまき君
「え?!」
隣にいたはずの奈良君がそのまま下に落っこちていく様子に、私は思わずギョッとする
「コラー、シカマルー!!しっかりヤレってばよォ!!」
「え、あ、奈良君!頑張れ!!」
うずまき君の応援に続き、私も慌てて応援をする
それにしても、相手の女の人、前から思ってたけど凄く怖そうな人だなぁ...
もし奈良君が負けちゃったら、私、あの人とやることになっちゃうんだよね
でも、奈良君が勝ったら奈良君と戦わなきゃならなくなっちゃうんだよね
あの人と戦うのも嫌だし、奈良君と戦うのも嫌だなぁ...
「はぁ.....」
思わず私は肩を落とし、溜め息を吐いた
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狗犬(プロフ) - あやさん» 有難うございます。そう言ってもらえて嬉しいです、今学業に力を入れている為更新が厳しい状況となっていますが、落ち着いたら頑張って更新致しますので宜しくお願いします! (10月2日 21時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
あや - 是非とも続き読みたいです! (10月2日 20時) (レス) id: f6af94ada0 (このIDを非表示/違反報告)
狗犬(プロフ) - りなーるさん» コメント有難うございます!いま、ネタを収集している最中ですので、暫くお待ちください。 (2023年4月2日 23時) (レス) id: c4cd770524 (このIDを非表示/違反報告)
りなーる(プロフ) - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!! (2023年4月2日 20時) (レス) @page45 id: fcaf0d8ff7 (このIDを非表示/違反報告)
狗犬(プロフ) - ミミさん» コメント有難うございます!中々、更新出来ずじまいで、すみません。更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2022年2月18日 9時) (レス) id: 53877cb946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狗犬 | 作成日時:2021年4月23日 21時