【NARUTO】愛は心を蝕む病のように

愛病 七十八話 ページ28

兄さんは優秀な手駒...音隠れの人たちは捨て駒...

外道だ、あそこまで酷い人を私は知らない

いや、きっと私が知らなかっただけ

そんな人たちはこの世界に、腐るほどいるのだろう

でも、それでも

「許さない...！」

人をただの捨て駒と言う人を、私は許せない

瞬身の術を使い、大蛇丸に刀を振り下ろす

「?!」

流石は伝説の三忍の１人

意図も容易く避けられる

「ツバサ?!...なぜ、ここに?!」

「あら？貴方、サスケ君の双子の妹じゃない」

私を見てニヤリと笑う大蛇丸

その笑みを見た瞬間、ゾクリと背筋が凍った









「サスケ君の妹のうちはツバサちゃん、やっぱり隠れてこちらを見てたのは貴方だったのね」

...気付かれてた

この人が伝説の三忍の内の１人、大蛇丸

私は刀を握り締め、体勢を立て直す

そして、キッと大蛇丸を睨み付けた

「そんな怖い顔しないでちょうだい、大丈夫、安心して、取って食いはしないわよ」

私を見てまたニヤリと笑う大蛇丸

「それ以上、近付かないで。斬りますよ」

こちらへ近づこうとする大蛇丸に、私はそう言った

「ツバサ！お前じゃ無理だ!!俺の後ろに下がれ!!」

すると、先生が声を荒らげ言う

その後ろには、意識を失い倒れている兄さんの姿

.......兄さん









「どうして兄さんなの？私だってうちは一族」

うちはの血が欲しいだけなら、兄さんにこだわる必要はない

写輪眼が欲しいだけなら、弱い方、私の目を抉り取ればいい話

「うちはの血が欲しいなら、私でもいいじゃない」

狙うなら私を狙えばいい

奪うなら私から奪えばいい

「サスケ君も同じようなことを言ってたわ。"狙うなら俺を狙え、ツバサには絶対に手を出すな"ってね」

「....え？」

その言葉に私は間抜けな声を漏らす

「うちは一族は凄く兄妹思いなのね、正直、ツバサちゃんのことも喉から手が出そうなほど欲しいけど、サスケ君と約束しちゃったから」

じゃあ...兄さんが苦しんでるのは...私のせいでもあるってこと...？

先程まで刀を強く握っていた筈の手から、一瞬で手から力が抜ける

次の瞬間、刀が滑り落ち、カランっと虚しい音が鳴った

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