馬鹿二人【羽風薫】 ページ40
抵抗されるけれど、離すわけない。
力強く腕を握り、離れないように、逃げられないように、彼を自分の胸に引き寄せる。
卑猥な音が誰もいない教室で響く。
やっとのこと彼を解放すると、顔を赤くし息を乱しながら俺を睨んできた。
どうせ、キスの一つもしたことがないんだろうな、俺が邪魔をしていたせいで。
目の前の彼は、先程まで荒い息をゼーゼー吐きながらも俺に今にも殴りかかってくるような勢い。
しかし、次の俺の言葉を聞いた途端、固まる。
『本当に何がしたいの…そこらの女の子みたいに俺はキスの一つですぐに許さないよ』
「ごめん。俺、Aくんが好きなの」
間抜けな顔をする彼。
ここでもう言葉を止めれば、いつも通り「冗談冗談」とか言えばまだ間に合う。
でも、今更止まらない。
「ずっと、中学から好きだった。本当こんな野郎くせに何年も男相手に想いを寄せてるとか引くよね」
『…………』
「Aくんもさぁ、俺なんかに優しくして、ずっと一緒に居てくれるのもやめてよ。だから俺がこうやって惚れちゃうんだって」
理不尽なことを言ってるのは自分でも理解できる。
でも、今はこうやってふざけた口調で笑いなが
らごまかすしかない。
真面目な顔で告ることが俺らしくない。
「俺って結構独占欲強いみたいで、こうやって好きな人には自分のことだけ見て欲しい、他の誰にも盗られたくない。本当ごめんね。気持ち悪くて」
『…………謝ってばっかり』
黙って聞いていた彼がとうとう口を開いた。その目はまだ怒ったままだけれど。
「……ほんと、ごめんね。もう関わらないから」
嫌悪感の溢れるAの瞳から逃げたくて、本当クズ男の手本のように散々なことをしたくせに謝るだけで逃げようとした。
自分は逃げないように試行錯誤をして彼を小さな箱に閉じ込めたのに、いざピンチになると逃げようとするクズ男だ。
しかし、俺は逃げられなかった。
「……Aくん？｣
『関わらないとか、なんでそんな事言うの……。あのさ、薫には、付き合えるっていう可能性はないの？付き合う選択肢もない？』
俯きながら、俺の手を握り話す。
信じられない。
本当に、その可能性を信じて良いのか
『……本当、薫ってばかだよね。こんな事してまで』
どうやら、俺たちは本当に恋を拗らせ過ぎている様だ。
いつものように彼は笑い、そして俺の頬に優しく口づけをした。
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どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 了解です！！ (2019年8月8日 21時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - 宗さんとみかちがいいですか！ (2019年8月8日 20時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» キャラ誰がいいですか？？ (2019年8月8日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - apipeさん» 分かりました！リクエストありがとうございます^^* (2019年8月6日 7時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
apipe - ２人が夢主が好きで夢主にアピールしてるのに全然きずかないのが見たいです。 (2019年8月5日 23時) (レス) id: 6a53dc23ed (このIDを非表示/違反報告)
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