男主とアイドル【あんスタ】

ようこそ、僕の世界へ【天祥院英○】 ページ33

タイトルの英智様の名前が何故か英○になります。ダサいからこのバグ直っておくれ……。

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「やっぱり、ここのご飯はあんまり好みじゃないな」

『確かに、味が薄いし正直美味しいとは思えないよね』









一見、普通に聞こえる会話。




しかし、全くもって普通の人とは違う会話だ。







だって、この二人の間には、カーテンが挟んであり、お互い顔は見えず、影でしか存在が分からない。



そう。



彼らは病室に居て、おまけに同室だと言うのに顔を見て話したことは無いのだ。









理由は、Aが男性恐怖症であるから。









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男性恐怖症と言っても、そこらの漫画であるような男の顔を見ることが怖い。という可愛いものでは無い。





そもそも、男という存在が近くにいるということを知るだけで汗が止まらなくなり蕁麻疹が出て痙攣を起こす。






Aはかなり重度の男性恐怖症だった。









最初、英智が同室になった時は今よりもっと酷かった。


今は、平和に、まあ顔は見れないが普通に話しているが、前は違った。






そもそも、同室で同じ部屋にいるだけでAは震えが止まらなく、汗も酷かった。



その時もちゃんとカーテンで姿は隠されていたが、それでも英智の声変わりした低い声を聞いただけで吐かれたりしたこともある。


それは、しょっちゅうあった。









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今は、リハビリを繰り返し、精神安定剤も飲み、やっと男という存在だけで恐れず、話せることまで出来るようになった。






そもそも英智は、そんな相手と何故同室にしたのか。




それは、医師が何時までも刺激が無いと本当に男がダメになり、Aの将来が危ない。


そして、英智は人の顔を見なくても別に良いということで同室になった。









「Aくんは、今僕が触れることも無理？」

『……ごめん』

「いや、謝ることじゃないよ。仕方ないからね」









彼は、他の人間よりも人の心に敏感だった。






男が無理ということで学校も行けないから英智と同じように病室に年中居て、まともに人と関わらない。


そのため、人が自分のせいで傷つくことをかなり恐れていた。









『男と知っただけで吐き気がする体なんて、周りから見たら、普通に気持ち悪いよね……』

「僕は、気持ち悪くなんて無いと思うよ。他に君のような人間も多くいるよ、きっと」

『そうかな。英智くんは優しいね』









クスリと、笑い声が聞こえた。


しかし、表情は分からないが。







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