男主とアイドル【あんスタ】

高校デビュー【月永レオ】 ページ32

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「会いに行った方がいいんじゃないか？友達だろう！」









3年。


新たなクラスの友人にそう言われた。





月永はもう不登校じゃないみたいだ。


正直、会うのがとても怖い。連絡をかけたが1度も出てくれなかったあの2年の頃を思い出すと、もう嫌われたのではと思う。



あの言葉は、俺の、冴えない俺を見抜かれて言われたのでは……。そう思うだけでゾッとする。



1番の、親友だからこそ怖いんだ。








『なあなあ、月永呼んでー』






陽キャっぽく言うのはまだなれない。相手の顔も上手く見れないから目を瞑り笑顔を作る。








「…………A、か」








会ったら、うっちゅー☆と言うはずの彼は全く変わった。

俺の顔を見ると、少し素っ気なく名前を言う。







「久しぶり。その、まずは場所を変えよう」






笑顔を作れ。

焦るな、怖がるな。







『その、ごめんな。お前が不登校になったのに何も助けてやれなくて』

「ああ、大丈夫だ。Aは何も悪くないし｣







今の月永のオーラは変わった。

えがおが引きつる。







「でも、お前の本当が知りたいんだ。俺、Aが好きだった。昔も今も」

『え……』







その言葉を聞いた途端、俺の心は一瞬で真っ黒に染まる。



俺は、今まで何してんだろ。



毎日毎日、みんなの望む理想の俺を演じ、毎朝毎晩地獄のような日々を過ごして。友達を利用して、騙して、。






今更、真実を見せるのか？








「Aは、好きか？」

『……うん。好きだよ』








ごめん、月永。


こうしてまた俺は、罪を重ねる。









高校デビューなんか、クソだ。









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『ビターチョコデコレーション』というボカロから歌詞を借りました。

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