-Fragment of a dream- (ページ4)

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①春風と共にページ4

4月は始まりの季節。

新しい制服に身を包み、新しい学校に通う今日ころ頃。谷崎Aは桜舞う校舎の外を中学からの友人である黒子テツヤと共に歩いていた。

新入生が今日から登校開始な事もあってか、どの部活も勧誘に忙しいようで校庭前は沢山の生徒で溢れかえっている。

『ねぇ、テツ？もう部活決めたの？？やっぱ、バスケ部？？』

そうAが本を読みながら歩く黒子に笑いかける。
すると黒子は視線を本からAに変え、何を今更といったキョトンとした顔でこちらを見つめ直してきた。

黒「当たり前じゃないですか。僕はその為にこの誠凛を選んだんですよ？」

『へぇ、そっか～.....あっ、でもこの学校って新設校じゃなかった？バスケ部そんな有名じゃないでしょ？？』

Aが黒子より少し前へ出て、くるりと戯けたように回ると黒子は少し嬉しそうに微笑んだ。

黒「いいんです。何より、ここの学校の人達のプレーを試合会場で見た時に.........この学校で、あの人達とバスケをしたいと思ったんです。」

そうなんだとAがまた相槌を打つと、そのままゆっくりと校舎の方に進み出す。

後ろからついてくる黒子は質問を投げてくるAに今度は自分も疑問を投げかけた。

黒「.......Aさんは、.........バスケ部に入らないんですか......？？？」

『あー......そうだなぁ..........。

うん、多分、女子バスケ部には入らない。

まぁ厳密にいうと、まだバスケと向き合うのが怖くって.....ね。何かきっかけがあると違うんだろうけど.......

流石にいろんな事が.......ありすぎた。』

先程まで、嬉しそうに先を歩いていたAだったが、少し寂しげな表情を浮かべて体育館の方を見ながら、黒子から投げかけられた質問に答える。
そんなAの様子を見て、黒子もすみませんと消えそうな声で謝った。

『ううん、いいのいいの。テツの事は応援してるんだから頑張ってよね、バスケ。』

黒「...........はい。僕の出来る限りで頑張るつもりです。」

『うんうん、頑張れ、頑張れ♪と.............話は変わるんだけど。』

とAが話題を切り替えると今度は黒子の方をじっと見つめて言葉を繋げる。

『なんか、凄い色んな人に見られてない？私達？』