[マギ・トリップ]イツメンで異世界に行った訳だがどうしたら良いのだろうか？ (ページ11)

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7夜ページ11

Side『ハル』

無理無理、嫌だなぁ。

怖いの嫌い。

遠くではアリババさんと領主さんが戦ってる。

こちら側では礼と響菜…レイとヒナがモルジアナちゃんと戦っている。

戦う…と言っても、一方的に襲ってくるのをただ避けているだけだが…

私とユズは柱の陰から見守っているだけ。

アラジン君は、まだ立ち上がらない…様子が見えない。

ユズ「頑張れー。」

ユズは小声で応援しながら、ただ見守っていた。

モル「くっ…」

レイ「大丈夫ですかお嬢さん。まだ、一撃ももらってませんが？」

ヒナ「煽るなよ、めんどくさくなる。」

レイ「いや、失礼。段々と彼方が面白くなってきたので。」

攻撃を避けながら、レイが此方を見てアリババさんがいる方を指差す。

見ると、アリババさんが領主さんを負かしている所だった。

アリババさんって、強いですね。

ユズ「わ、早…。」

領主さんが助けお求めたところ、モルジアナちゃんは一瞬であっちまで飛んで行った。

レイ「行ったね…いやー疲れちゃった。」

ヒナ「嘘吐け、汗ひとつかいてないくせに。」

ユズ「凄いね、あんな早い足技を避けてたなんて。」

ヒナ「相手の視線と表情を見れば大体わかる。」

レイ「ところでみんな、あっちの心配しなよ。」

レイの指差す先では、アリババ君がモルジアナちゃんに柱に叩きつけられている所だった。

ユズ「うっわ、痛そう…。」

レイ「確実に痛いだろうね。」

ヒナ「普通に痛いね。」

3人があちらを見ながら話している。

ハル「あ、アラジン君…？」

気が付いたアラジン君は、近くにあった石の杖を持っていた。

アラ「…どうしてお姉さん達とお兄さんは、アリババ君を助けないの？」

皆が黙る中、レイが口を開いた。

レイ「俺達は傍観者だ。彼を助けるのは君、そう決まっている。」

レイがにっこり微笑み、アラジン君に言う。

アリババさんの方に歩いて行くアラジン君。

レイ「…君も、もう少し大人になったら分かるよ。」

レイの呟いた言葉は、私達には聞こえた。

アラジン君に聞こえたかは、分からない。