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「ほんまに⁉︎」
「花見やし、花見ながら食べたいかなぁ思って。ネモフィラ見ながら食べよ?」
半分ほんま、半分嘘。
ほんまは、しげのおいしそうに食べるとこが見たかったりして。
社食で見たことある。
頬袋に唐揚げ詰めて、うまそうにもぐもぐするかわええ笑顔。
それが見たくて、今日は唐揚げ。
「神ちゃんの手料理、食べたかってん!昼休み、時々弁当見てたし。笑」
「そんなん、言うてくれたらいつでも作るのに」
それだけのことで、嬉しくて心が跳ねる。
「じゃあさ、来週どっかで弁当作ってきてくれへん?屋上で一緒に食べようや」
次の約束しながら、唐揚げを頬張る。
「うっまー!!」
唸ってる。
体全部使って、おいしい、嬉しいって伝えてくれる。
「しげ、大袈裟」
恥ずくてそんなんしか返せへんけど。
それでもしげの笑顔が途切れなくて、ホッとする。
しげとおるんは楽しくて、居心地よくて。
溶かされるんちゃうかってくらい幸せで。
「来年もここ来ようや。そん時も唐揚げ、作ってな?」
返事はできなかったけど、笑って誤魔化す。悲しいことに得意やねん、そういうの。
しげは、未来の話をしたがる。
そこだけは…嫌い。
だって、その未来、ほんまに来るかわからへんやん。
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作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時:2022年8月7日 17時