keep your doubt（JW赤×緑） (ページ10)

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繁忙期。最近は残業続き。
みんなが帰った後の方が捗るから、タチが悪い。
心の中で“ここまで終わったら帰る”を何回か繰り返して、結局部屋にはしげと2人。

「まだ終わらへんの？」
「ごめん！もしかして待たせとった？」

言うた後に違ったかも、って急に恥ずかしくなる。
けど、しげの反応見ると、その心配はなかったみたいで、ホッとしたの半分、申し訳ないの半分。

「もうちょいで区切りいいとこやから、もうやめる。先帰っててええからな」
「えー！ここまできたら、一緒帰ろうやぁ〜」

そう言って、自分のマグカップと俺のマグカップを持って、給湯室に洗いに行った。

戻ってきて、隣の流星のデスクに腰掛ける。
そんなにこっち見んでほしい。
緊張して、手ぇ止まってまうから。

「あ、そうや！焼き肉食べへん？」

俺ん家にええ肉があるねん。
ワクワクと音が聞こえてきそうなほどに、嬉しそうなしげ。

「何の肉？」
「牛〜」
「ふふ、ええな！しげん家行ってええん？」
「彼女みたいなもんやろ？」

指が伸びてきて、ほっぺに微かにふれる。
時々甘ーい彼氏感出してくるしげ。
嫌いやないけど。いや、むしろ好きかも。
俺にだけ、って特別感。

けど、そんなに期待させんといてほしい。
“みたい”
しげの口からはっきり言われると、わかってても悲しなる。
俺は、“期間限定”の恋人なんやからって、念を押されてるみたいで。

「俺、そっちなん？」

寂しさを打ち消すように、素っ頓狂な声出してチョケてやる。

「え⁉︎ちゃうん⁉︎」
「合ってるけど」

ほらぁ！
なんてドヤ顔で笑いながら、椅子の背もたれごと後ろから抱きしめてくれる。

しげといると、ほんまに楽しくて。
仮初の関係なのに、愛される幸せ感じてる。
一緒におれるんなら、それでもええ、って思ってる。