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祥吾に心配してもらっているという事を糧に、私はお見合いに挑んだ
今、料亭のお座敷で向かい合ってお料理を食べている
どうやら了承を得たのか、修造が私の後ろに待機している状態だ
「この間は申し訳なかったね」
貴「…いえ、お気になさらないでくださいませ。それよりも私も申し訳ありませんでした。お怪我はありませんでしたか?」
「ああ、大丈夫。貴方のような可憐な女性に蹴られても痛くも痒くもないさ」
貴「ああ、安心致しました。あの後、もしかしたらとずっと眠れませんでしたの」
「そんなに心配してくれて嬉しいなぁ」
…私を見る視線が気持ち悪いわ……
ああ、早くこの場を抜け出したい
するりと手の甲を撫でられ、思わず鳥肌が立ってしまった
…………今日着ているのがお着物で、良かった
「……本題に入っても良いかい?君と…婚約を結ひたいんだけど」
貴「あの…お話はとても嬉しいのですが、私はまだ結婚出来る年齢ではないですし、あと2年程お待たせするのも気が引けます」
「2年なんて大した時間じゃない。それくらい待てるよ」
貴「ですが、私はまだ未熟ですしまだまだお勉強をしたいのです」
「大丈夫、結婚しても好きな勉強をさせてあげよう」
貴「……お父様や他の者と相談して、決めますので…」
「そう?良いお話が聞けるのを楽しみにしてるよ」
貴「え、ええ…ッ……けほっ…けほっ」
「…風邪かい?」
貴「そ、そうみたいです。けほっ…ごめんなさい、大丈夫ですので」
「身体、お大事にね」
貴「はい…ありがとうございます」
風邪は引いていなかったと思っていたんだけれど…
身体に異常はないのに、喉や声が掠れる感覚
………何かしら…
貴「けほっ、けほっ…けほっ……はっ…」
虹「…お嬢様?」
貴「……しゅぅ、ッ、ひっ…」
虹「お嬢様、どうかされましたか?お嬢様?」
貴「こ、え、こえっ…けほっ、でな…ッ」
虹「声が…出ない?」
「…おやおや、大丈夫かい?」
虹「……料理に何か…入れましたか?」
「君もずっといただろう?俺が何かしたか?」
虹「…おい、聞こえるか。警察を呼び、この料亭の厨房を押さえろ。お嬢様に薬を盛られた」
「…コイツが悪いんだ、俺を拒むから」
虹「黙って警察の到着を待ってろ。言い訳は警察に聞いてもらえ」
「………そんな口をきいて…君の主人が許すかな?」
虹「俺の主人は旦那様ではなくお嬢様ですので、お気になさらず」
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碧夜叉 - 灰羽さん» ありがとうございます!そう言って頂けると励みになります…!お気遣いまでありがとうございます!頑張ります! (2018年7月31日 9時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 続編おめでとうございます!一話一話の展開が楽しみです。お身体に気を付けて、更新頑張って下さい。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: d302357e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年7月30日 23時