神様への捧げもの ページ36
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「雨が降らぬ生贄を出そう」
「うちは嫌だぞ」
「うちも嫌だ」
「ここ最近、他の村では雨ばかりというのに、なぜ我が村には雨が降らんのだ。」
「生贄はどうする」
「うちは絶対に出さないからな!」
「…Aは?」
「ああ昔、別の村に召使いとして追放したあの恐ろしい小娘か。神の血を引いてるとか。」
「それならサヤもいるな。フウガは死んだらしいが…」
「二人とも別嬪に育ったと風の噂で耳にしたぞ。どちらを捧げようと、神様はさぞ御喜びになられて我が村に雨を降らすだろう。」
「どちらにする」
「別嬪ならばどちらかの一人はうちの息子の嫁に貰おうか。」
「それはやめておけ。奴らは神の血を引いている恐ろしい奴らだ。生まれた子が呪われたりしたらどうするつもりだ」
「まあいいじゃないか、別嬪に罪はないだろう」
「しかし…」
「そんな事より、どちらを生贄として捧げる」
「…Aの方がいいのでは。サヤより数年長く生きてるからな。もしかしたらサヤも今後何かに使えるかも知れん。サヤを残し、Aを生贄にしよう。」
「そうだな」
「決まりだな」
「よし、じゃあお前、明日Aの村へ行きAを我が村に連れてこい。」
「え、僕ですか」
「そうだ。ついでにサヤも連れてこいよ。」
「わかりました」
「よし。では皆、自由に寝るがいい。」
人間とは、残酷で破廉恥な生き物だ。
いつかこの世界は地獄と化すのではないだろうか。
人の立場や境遇を利用し、策略を練ておとしいれる。
…陰湿だ。
私は話す事が出来ないよう、包帯で口を塞がれ、動けないように足と手を鎖で繋がれてある。使えるのは鼻と目と耳。
今の村人たちの会議に口を挟む事が出来ない。
Aちゃんとサヤちゃん、フウガくんは私の親友、カヨさんの子供。
親友の子供を生贄になどにしたくない。
…そう言いたいが、今は喋る事が出来ない。…無力だ。
…そういえばだが。
Aちゃんが召使いとして送られた村は、私の息子も赤ん坊の頃送られた村だ。
私の息子はAちゃんとおない年。私の息子は秋に生まれ、Aちゃんは冬に生まれた。今Aちゃんがいる村に、赤ん坊の頃に“丁”として送られてしまった。息子はまだ生きているのだろうか…そしたらAちゃんと一緒に働いているのだろうか…
…送られてしまった経緯はいつか話そう。
申し遅れた。
私の名は…
ミカ。
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時