夢の世界へ誘われ【文豪ストレイドッグス】

夢5 ページ6

「…あの、今度こそ、帰りますので…！！！」

この傷くらいすぐに治りますよ！と言い、探偵社から飛び出した。


誰かが止めてた気がするけど、そんなん知らんっ！！


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もう随分と歩き、夜になった。

…夜行性の人って意外といるんだね。
人が意外といる。


「…って、え！？あ、雨…？」

人間観察をしていたら、ぽつぽつと雨が降り始めた。
雨宿りができる場所を探していると、お洒落な居酒屋(?)が目に入った。

居酒屋→酒→中也さんっ！

一目でいい。みたい。……見よう。

居酒屋(?)のドアを開け、中を見渡した。
ん…店員さん…かな？
近づいてみるとやっぱり店員さんだった。

…可愛いな、この人。

「…あの、雨宿り、させてくれませんか？」
「…え？…雨、降ったんですか？天気予報、最近よく外れますねー」

どうぞー、と席へ案内され、そこへちょこんと座る。

数分後、私がいるテーブルにコトンとココアを置いてくれた。

…解っていらっしゃる。
もう体が冷えすぎて、オレンジジュースとか冷たいの出されたら
クレームおばさんになろうかと思ったよ……


両手でそっと持ち上げ、ふぅっと息を吹き掛けて、熱いから温かいになるくらい冷ます。

カップを唇に付けたとき、カチャ…とドアの開く音と凄まじい雨の音が聞こえた。

なんとなく気になって、そちらを見上げると、








「中也さん……！？」




本当は叫びたかったけど、殺されるから誰にも聞こえないくらいの小ささで呟いた。

(…え、ヤバイどうしよう格好いい。あの帽子、私も欲しいんだけど。てかチョーカー！今私が着けてるのともしかして色違いじゃないかな！？ヤバイ好きっ！！！)

心の中で叫びまくり、それを流し込む様にココアをコクッと飲む。
うん、落ち着いた。まぁね、中也さんに近づくとか私の身がもたないからうん。

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