検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:45,539 hit

夢2 ページ3

……異能力者。
聞き覚えのある言葉。異能力者……異能力者??

…文…スト………?


「……はっ……!?」


目を覚ますと、学校の保健室みたいなところ。
そして、近くに腰掛ける美形…な、自…殺マニ…ア………?
…そう、太宰さんだ。多分…いや、きっと。

「……あ、あの…ここは…」
「……ん?あぁ、起きたのだね。」

ふわりとした微笑みを向ける太宰さんに、心の中で「ごちそうさまです。」と呟く。

「…此処が何処かを答える前に、此方の質問に答えてはくれないか?」

有無を言わせぬ目で見られる。
光が感じられぬ、冷酷な目。

「………は、はい。何なりと。」
「わぁ、そうかい?なら遠慮なく。
…君は、一体何故あんな処にいたんだい?
昨日も今日も平日だ。君は見たところ学生だから、少し気になってね。」

冷たい笑みを私に向け、私も今いちわかっていないことを聞かれる。
…うーん。なんていうべきか。

(…私も、よくわからないです。
ベッドで寝てたら、ここにいました。)

……とか?
否、違うか…私は、新しい記憶があるのだから…

「…親、から……逃げてきました。」

…あながち間違いではないし、多分大丈夫。

ほう…と呟き、何かを考えている太宰さん。

「親から逃げてきた…と。
何があったのかは…云えないのかい?」

探るような目。さっきの冷酷な目とは違うけれど、怖く感じた。
…なんでも見透かされているような気がして。

…でも、別に隠す必要はない。相手だって異能力者だし。

…なのに、異能で親を殺した…と言うことができない。

口が動かない。記憶が拒絶する。

(云うな、捨てられる、殺される
__一人は嫌だ。)

頭の中に、響く。吐き気がすごい。


「…あ、あの…いえない…で、す。」

声が震え、言葉が途切れる。
泣きたくないのに、涙が溢れてとまらない。

「否、無理して云う必要は無いよ。」

優しい声色で話し掛ける太宰さん。
涙でぼやけているが、多分困った顔をしている。

私自身、落ち着いてきたはずなのに、嗚咽が酷くなってくる。

(太宰さんに嫌われるからとまってぇぇええええええ!!!!?)

そんな叫び(心)も虚しく、静かに扉の開く音が聞こえた。

夢3→←夢1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (89 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
146人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

死にたがり。(プロフ) - 夢主が男化してエリス嬢が結婚すると言い出す的な、それでQがやきもちやくみたいな (2016年7月15日 13時) (レス) id: fd76360b65 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん@堕天使(プロフ) - ふわりさん» あああっ!ありがとうございます!!久作くん私めっちゃ好きで…!!!嬉しいです!!!ありがとうございます!!!! (2016年7月12日 6時) (レス) id: e202bc62ee (このIDを非表示/違反報告)
ふわり(プロフ) - 久作くんが可愛すぎて気絶するかと思いました。もう大好き!!更新応援してます!(^-^ゞ (2016年7月11日 23時) (レス) id: c6de0fdaf8 (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん@堕天使(プロフ) - 19ページ目です!! …あ、でも、もうこのアカウントで更新することにしました! いつ、前のアカウントに戻れるかわからないですから…(( (2016年5月26日 18時) (レス) id: e202bc62ee (このIDを非表示/違反報告)
いな - 何ページ目ですか? (2016年5月25日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みかん@堕天使 x他1人 | 作成日時:2016年5月6日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。