チビだったからってナメんなよ【マフィア松】

91，キス ページ19

〜カラ松 side〜


カラ「A、レンと高橋さんは…？」

俺の一言で、みんなはピタリと動きを止めた。

『…2人は、ザクロを裏切った』

Aは苦しそうに目を伏せた。

裏切ったという言葉に、俺達は息を呑む。

でも、とAは続ける。

『彼らの意志じゃない』

チョロ「それは、どういう…」

『多分、催眠術ってやつ』

催眠術…

5円玉とかをぶら下げるアレか？

『捕まった時、目の前に振り子出されたから、きっとそういう意味なんだよ』

一「そんなものが実際にあるとは思えないんだけど」

『私だって信じきってるわけじゃないよ』

トド「ならレン達は((『違う！』…A」

『違うよ。自分の意思でなんて、ありえないんだ』

必死に否定するAは、今にも壊れてしまいそうだった。

彼女は、大切な人を失うことを恐れているように見える。

失うのは、怖い。

トド「ごめん」

『いや、こっちこそごめん』

カラ「レン達は操られているとして、これからどうするんだ？」

『…まだ取り戻せるんだ。無論、奪い返すぞ！』

「「「「「「おう！」」」」」」


十四松がAの袖口を軽く引いた。

十四「A、大丈夫？さいみんじゅつってゆーの、やられてない？」

『私は平気。かかったフリして逃げてきたから』

十四「ほんと？」

『だいじょぶだって！なんたって私ザクロのトップだよ？』

Aはにっと笑って十四松の頭を撫でた。


『けどキスされたのは流石にキツいわ〜』

キス、だと…!?

みんなの目がギラリと光る。

おそ「A、それは誰に、どこで、どんなふうにされた？」

『え？んーと、真っ暗の部屋で触れるだけのを…顔は見えなかったかな』

((((((絶対見つけ出してぶっ殺す))))))

兄弟と心が通じあった一瞬だった。

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