伏黒甚爾は恩人でした

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悟






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昔見たことだけあるあいつに致命傷を負わせ死に行くのを見送ろうとした






「Aを気にかけてくれ」





同じく処刑対象とされている俺らと同い年の女の心配をした数十秒後、その本人が現れた






『甚爾…さん…？』





絶望的な声であいつの名を呼んだ女は俺の横を過ぎる





まるで子供みたいに泣きじゃくるアイツを俺と傑で眺めていた





普通であれば殺さなければならない。処刑対象者が目の前にいてただ見ておくなんてやってはいけない





だができなかったんだ






あんまりにも綺麗に涙を流すもんだから





それは隣にいる傑もそうだったと思う。2人して動くことが出来なった





あいつは息絶えAはまた1度服を握ると上を向き立ち上がる







俺らの方へとゆっくり歩き出しなにか仕掛けられると思って戦闘体制へと入ったがなにかをすることはなくスっと横を通り過ぎるだけだった







『格納庫の呪霊はあげる』







そう言い捨てるとなにもなかったかのように高専をあとにした






「あれで良かったのかい？上にバレれば叱られるじゃ済まないよ」






「あぁ。俺にあいつは殺せねぇ」





通り過ぎるときに見えたあいつの目は俺と対称の赤い色だったが、俺とは違い目に光がなかった





全てを諦めたようなそんな感情を出していた





その日からあいつのことを忘れた日はない







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