伏黒甚爾は恩人でした

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甚爾





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目の前で呪術界最強になった男と戦わない手段なんてなかった。殺ってみたいと思ったんだ





だから俺は後悔なんてしちゃいない





「言い残すことは」




五条悟は俺の前に立ち吐き捨てる





「俺のガキが禪院家に売られる。好きにしろ




それと_______________








俺と一緒に処刑対象とされてるAは殺すな。あいつは俺といたからああなっただけだ








Aはお前らと同い歳だが信頼も愛情も知らねぇ人間だから教えてやってくれ。人と関わる大事さを」






そう言って数十秒後、Aは俺を見て泣きながら駆け寄った






『いやだっ！いやだよ…。甚爾さん…！




死なないって約束したじゃん！ひとりにしないって！』





服をぎゅっと握りしめ泣きじゃくりながら言うAの頭をそっと撫でた






「いいか、A、もう泣くな。お前のその綺麗な目も顔も台無しだろ？俺はお前のその目に惚れたんだ




絶望に満ち溢れ全てを放棄したような目の奥に惹かれる強さがあった




Aが必死に、一生懸命生きようとするから、俺も真面目に生きようと思えた




自尊心さえも無くした俺がAのがむしゃらに頑張る姿を見てまたちょっとずつ芽生えていくような気がしてた




お前が昔の俺に似ているような気がして時折重ねて考えてることもあった。俺がお前を変えたように、お前も俺を変えてくれたんだよ





でも俺のせいでお前は人に後ろ指を刺される存在になっちまった。人を殺す人間の脳にさせてしまった




だからこれからは殺すんじゃなくて助けてやれ




お前の望みも願いもあいつらがきっと叶えてくれる




俺はあの家で愛情なんて教わらなかったらお前に教えてやることも注ぎ方さえも分からなかった





だからあいつらに教えてもらえ。人を信じること、人に愛され愛すること





俺がここで死んでもこっちの世界にはまだ早すぎるから絶対に来るな。ちゃんと前を向いて歩け





A、












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ありがとな














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