どうやら、成り代わってしまったようだ。これから先どうなることやら…【進撃の巨人】 (ページ32)

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陸拾弐話エレン(夢主)の過去ページ32

～ハンジside 続き～

ミカサ「…此処にいる」

ハンジ「わぁ、こんなところが…」

ミカサを先頭に着いたところは、月の光に照らされて綺麗に光り輝く湖だった。

ハンジ「此処に、エレンが？」

ミカサ「うん。たまにふらっといなくなる時があるから、ある日後をつけてみたの」

つ、つけたって…いいのかな？

ミカサ「で、この湖の畔にポツンと立って、水面を見てるの…」

たまに木の上から見る時もあるけど。とミカサは付け加える。

アルミン「あ、いた」

ハンジ「？……っ！」

そこには、木の上でジーっと湖の水面を眺めるエレンの姿。

ミカサ「エレン…？」

貴「……」

その姿はあまりにも儚く、今にも消えてしまいそうだった。

？「キュッ！」

ハンジ「？」

何処からか動物の声が聞こえた。

貴「……また来たのか、お前」

？「キュゥ～♪」

エレンの膝の上に丸々ように座る小さな生き物。

貴「よく飽きずに来るな。俺は"化け物"だというのに…」

ハンジ「……っ」

チクリと胸が痛む。

貴「此処にはあまり長くいない方がいい。特に君みたいな生き物となれば…」

？「キュゥ～」

貴「そう、悲しい顔をしないで？こっちが反応に困るよ((苦笑」

生き物を撫でながら、悲しそうに言う。

？「キュ、キュゥ！」

嫌だと言うように、離れようとしない。

貴「…はぁ、好きにしなよ」

そう言うと、また眺め始めた。

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ハンジ「……」

あれからどれくらい経ったのだろうか。

貴「ねぇ、これから言うのは俺の独り言だけど…いいかな？」

？「キュゥ～♪」

貴「俺は、みんなに話していない事がある。勿論、母さんと父さん、ミカサにアルミンにも話していない事…」

エレンの衝撃の告白に少し息を呑んだ。

貴「俺は、前世の記憶を持ったまま、この世に生を受けた」

ハンジ「！」

ぜ、前世の記憶を！？

貴「前世の記憶を持ったまま生まれるのはあまりない例だ。人は転生する時、それまでの記憶は全て消えてしまう。そして、次へと…。その繰り返し」

確か、それって…輪廻転生って言うんじゃなかったっけ？

貴「前世の俺はとてもいい扱いはされなかった。母親に毎日…何もしてないのに殴られ、蹴られてそれで言うんだ。"あんたみたいな子、産まなければよかった"って…」

ハンジ「……っ」

胸が裂けそうな痛みを受けた。

これで、なんであの時あのように怯えていたのか、説明がついた。