05 . 三郎編 ページ8
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私はさぶちゃんの部屋へ行くことにしました。
コンコン、とドアをノックすると、すぐに中から
三「はーい」
という声が聞こえてきました。
『さぶちゃん、入るよ』
ドアを開けると宿題に向き合うさぶちゃんがいました。
三「A?どうしたの?」
私といる時はさぶちゃんは敬語をとって話します。
それがなんだか特別な気がして、ちょっと嬉しいです。
『さぶちゃん、今忙しかった?』
三「ううん、大丈夫。それより何か用?」
暇ですることがない事を伝えると、
三「じゃあボードゲームでもやる?」
と、言ってくれました。
『うん!』
ーーーーーーーーーーーーーーー
今日さぶちゃんとすることになったのは、いつもやっているようなボードゲームではなく…
『チェス?』
三「そう。A好きでしょ?」
私がチェス得意なのを覚えていてくれたようです。
『覚えててくれたの?』
三「もちろん、だってAは僕のかわいい妹だからね」
嬉しいです。
ニコニコしているとさぶちゃんは頭を撫でてくれました。
三「さ、始めようか」
ゲーム開始です。
ーーーーーーーーーーーーーーー
『チェックメイト〜!』
三「くそ〜またかぁ」
これで5勝目です。
三「強いなぁ、Aは」
ボードゲームキング(自分でつけた)のさぶちゃんは参ったなぁ、なんていいながらまた駒を並べます。
またチェックメイト寸前、さぶちゃんはうーん、と唸りながら次の手を考えています。
そんなさぶちゃんの顔を見ます。
私を鏡写しにした目の色。
大きくてくりっとした目。
ふわふわとした髪の毛。
双子なのに…なんでこんなにも違うんでしょうか。
するとさぶちゃんがこちらに気づきました。
三「どうしたの?そんなまじまじと見て」
『いやぁ、さぶちゃん可愛いなぁって。双子なのにね、さぶちゃん可愛いね』
三「そう?僕よりAの方がずっと可愛いと思うよ?」
そう言うとさぶちゃんはチェスのボードを挟んで前のめりになると、
私よりずっと大きい手で私の頬を包みました。
三「双子といえど僕だって男だよ?かっこいいって言ってくれないの?」
顔が近いです、さぶちゃん。
多分今頃私の顔はゆでダコみたいに真っ赤になっていることでしょう。
『さ、さぶちゃ、、』
三「なーんてね、ほらいち兄が呼んでるよ、行こ」
さぶちゃんは部屋を出ていきました。
まだ顔は熱いままです。
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琴葉 - 二郎…夢主ちゃんになんて言葉教えてるのよ…。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - やあああ!!!可愛い!!!夢主ちゃん可愛い!!!! (2018年9月17日 14時) (レス) id: 62aeac2e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅーしゃ | 作成日時:2018年9月9日 16時