【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU season3 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:13,037 hit

25 拠点⑦ ページ5

・

「おい、お前の班長は何処にいる？」

頭上から問いかけられて顔を上げると、遠くからしか見たことのなかった、リヴァイが立っている。

「え…？ウィルさん達、まだ着いていないんですか？

あ、紫の煙弾＿＿＿＿＿＿あれって、もしかしてッ」

顔色の悪かったビサから更に色が失われていく。

つられるようにリヴァイの顔も引き攣り、馬の繋がれている樹木の下に飛び降りる。

上方から班長や他の兵士等のリヴァイを呼び止める声が聞こえるが、構わず馬に乗って駆け出す。

しかし、リヴァイが走り出してすぐに見慣れた姿がこちらに向かっているのが見えた。

「リヴァイ？

なんでこんな所にいるの？」

あっという間にリヴァイの元までやって来ると、馬を止めて不思議そうに問う。

ウィルはマントもジャケットも着ておらず、その身体がには彼女より大きな男性兵士がしっかりと固定されていた。

・

・

・

ウィルの撃った紫の煙弾に誰も気づかなかったのは仕方の無いことである。

その時には既に進路変更が行われ、最後尾もそこを通り過ぎていた。

暫く待っても誰も来ない状況に焦りを感じ出した頃、奇跡的にハウターの馬が戻ってきた。

今にも意識を失いそうなハウターの身体は冷えきっており、自身のジャケットやらマントやらでできるだけ保温して、落馬しないよう自分の身体に括りつけた。

その際、痛みで声を漏らすハウターだったが、そんなこと気にしてられず、馬を走らせた。馬の揺れは相当傷に響いたようで、ハウターはすぐに気を失ってしまった。

次第に背中に感じる体温が下がっていき、ウィルの不安は増していく。

やっと巨大樹の森が見えてくると、その後すぐに一人の兵士がこちらに向かって来ているのも確認ができた。

それが、リヴァイだと分かった瞬間、
ウィルは自分でも驚くほどの安心感を感じた。