【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU season3 (ページ24)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:13,114 hit

30 死神③ ページ24

・

仲間の葬儀や妹の転院を終え、姿を現したウィルは、ぽつりぽつりと自分の過去を話し出して、

自分は"死神"だ、と呆れたように笑った。

「お前…それを俺に言うか？」

「え…？」

「母親はガキんときに死んで、父親なんて顔も知らねぇ。
それで俺の身勝手な選択でアイツらまで失った…

俺の方がよっぽど死神らしいだろ。」

「ごめんなさい…そんなつもじゃなくて」

「別に、謝罪なんて求めてねぇよ。

この世の中はそういうもんなんだよ、
人は死ぬ時は死ぬし、

何が起こるかなんて誰にも分からない。」

リヴァイを見つめるその瞳から一つまた一つと涙が零れていく。

「チッ…お前はよく泣くな。」

舌打ちしながらも優しい手つきでその涙を拭う。
それからウィルの華奢な体を、小柄な…でも逞しい体で包み込んだ。

・

・

・

機動班はハウターを失った。
＿＿＿＿＿＿＿が、それだけではなかった。

膝の靭帯断裂をしたアダムは、復帰予定が立たぬままだ。壁を破壊された今、すぐには手術が行える状況ではなく、手術の日程すらまだ決まらない。

壮絶な壁外調査から帰還し、ウォール・マリアが突破され、仲間を失いという恐ろしい体験を16歳で経験したビサもまた、調査兵団として任務を継続するのは難しいほど衰弱していた。

ウィルの紹介で精神科へ通院していたが、遂には休職したいと申し出てきた。

奪還作戦と称して口減らしが行われる中、ウィルは診断書やらの申請を迅速に行い、ビサが落ち着いて休養できるように、上へ掛け合った結果、手当金を貰って休職することが可能になった。

こうして、機動班はウィルとマーティの二人きりになってしまったのだ。

更に、2人では機能しない機動班の解体が決定し、ウィル、マーティ共に新たな班の班長となり、機動班は消滅した。