【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU season3 (ページ23)

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30 死神② ページ23

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教官は、彼らを搬送待ちの兵士達だと説明する。

皆、どこかから出血していたり、外傷がみられる上に、痛みにもがいている。しかし、ミランは煤で汚れているが、目立った外傷はなく、先程からピクリとも動かない。

恐る恐る近づいて、ミランの胸に耳を当てると小さく心音が聞こえる。

生きてる＿＿＿＿＿

それから、直ぐに来た搬送の馬車は他の兵士を連れて行った。
ミランは意識がないんだ、外傷がない時ほど危険なんだと、何度も何度もミランを早く搬送してくれと叫んだ。

が、ミランがやっと市内の病院にたどり着いた時は、もう日が落ちる時だった。

分かっていた。

今回みたいに複数の重症者が出た場合、助かる確率が高い(・・・・・・・・)者から処置が施される。

意識不明で、状況も分からないミランより、他の兵士達が優先されたのだろう。

更に大きな病院に移され、たくさんの管に繋がれて眠るミランは、数日…数ヶ月＿＿＿＿＿いや、数年目を覚ますことがなかった。

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「もう、4年も経つんだ。

妹が、目を覚まさなくなって＿＿＿＿＿」

少しやつれた様子で、リヴァイに自分の過去を話したのは、ハウターの死から1週間が経った頃だった。

彼の死をハンジから告げられ、妹の元へ向かおうとしていた所だったウィルは、すぐにハウターの元へ向かった。既に機動班全員揃っており、ビサはハウターの傍で涙を流していた。

松葉杖を支えに立ち尽くすアダムに、椅子に座って俯くマーティ。

そして、その奥に眠るハウター。

ウィルは目の前の光景に、頭がどうにかなってしまいそうだった。

ハウターの両親を呼ぼうにも、安否も居場所も確認できないこの状況では、すぐに呼ぶことすらできない。

しかし、ハンジとマーティが代わりに確認を取ってくれるというから、ウィルはすぐに妹の元へ向かった。

ウォール・ローゼ中心街の病院に入院していた妹だったが、ウォール・マリアの人々がローゼに一気に避難してきたことで、病院の機器が一時停止してしまったらしい。

なんとか非常用の装置で繋いでいるものの、またいつ止まるか分からないため、急遽ウォール・シーナへ転院を余儀なくされた。