【進撃の巨人】 NTEOTW KYHU season3 (ページ2)

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25 拠点④ ページ2

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「ッ...ウィルさん...」

服越しでも分かる変形した胸部。

真っ白だったシャツは赤く染まっている。

「ハウター、大丈夫だから喋らないでッ！」

「ウィルさん...

俺、成長したと思ったのに...ウィルッさんが、集中って...言ってから、気張って...いたのに

まだッまだで__________

「うるさい！！

応急処置するから黙って。失血死したいのｯ？！」

今日はよく怒られるな、と思いながら涙を溜めた瞳が力なく笑う。

「無理っスよ...

もうそこまで...来てる

＿＿＿＿＿足手纏いに...なりたくない！！」

ハウターの言う通りだ。もうすぐそこまで奴らが来ている。運よく逃げた木の陰に隠れられて、巨人たちにすぐに見つけられることはなかったが、今はもう奴らの瞳は二人を捉えている。

ハウターの言葉を無視して手早く応急処置を済ませたウィルは、自身のマントをハウターにかけて立ち上がる。

「舐めてもらっちゃ困るよ。

これでも私は機動班班長なんだ。」

ウィルは駆け出すと、向かってくる１４m級の腕にアンカーを発射し、背後に回ると項を削ぐ。

先程まで少し知性の高そうだった巨人が、急に間抜けに見えるが、それはウィルが速すぎるが故である。

その様子を霞む視界の中捉えたハウターは、ウィルの速さについていけず苦労した訓練を思い出す。

自分が成長したんじゃなくて、ウィルがペースを合わせてくれていたんだ、と感じて益々自分が情けなくなる。

こんな所で死ねない

あの人を越えるくらい強くなりたい

この思いだけで、何度も途切れそうになる意識を呼び戻す。

一方、巨人と対峙しているウィルは１４m級が先頭にいたのは幸運だったと思っていた。平地での戦闘のため、ここにある立体物は巨人たちのみだ。この立体物をどう上手く利用するかで、自分達の生死は大きく変わる。

１４mの高さから１１m級の巨人の項を狙うなど、造作のないことだ。倒れ始めた巨人の背中を蹴り、11m級の巨人の頭へと飛び移り、またも一瞬にして項を削ぎ落す。

あれ、９m級がいない＿＿＿

速く倒すことに必死で１体見失っていた。

ハッとしてハウターの方を見ると、巨人はそちらに向かっている。

「待てッ！！

お前の相手は私だ！！」

最大にガスを吹かし、巨人に突進する勢いで両足の腱にダメージを与えると、倒れていく巨人の項を捉える。

それと同時にガスが尽き、安堵の息を吐く。