。繰り返して32回目 。 ページ34
「……」
目隠しをしてるから今、貴方がどんな表情をしてるか分からない
無言の状態が続き…
先に口を開いたのは五条さんだった
「……誰かにそう言えって言われたの?」
掴まれた手は解かれ、そう聞かれた。
「違います、私の意思です。」
「僕のこと好きって言ってたじゃん」
「最初から好きじゃなかったんです。
ただ、いい婚約者になろうと言っただけです」
暴力を振るわれた所より胸が痛い。
「全部嘘だったの?」
「はい」
____違う、嘘なんかじゃない
「指輪……喜んでくれたじゃん」
「あんなの、表だけですよ。」
____違う、嬉しかった。
「……僕のこと嫌いだったの?」
「_____嫌いです。」
「っ……」
いつもしてる目隠しを取り、距離を縮めた五条さん。
だめ、今、目を合わせれない。
今目があったら……きっと私はこの人に縋ってしまうから。
思わず下を向いた。
「……嫌いなのに、俺の事ずっと好きでいるふりしたの?」
「そうです」
頭上から五条さんの声が降ってくる。
口調がいつもと違う、怒ってるんだ
「ずっと婚約破棄したかったわけだ」
「……」
「俺と恋人ごっこしてて楽しかったか?」
「っ……」
胸が痛い。これ以上は声が震えてしまう
お願いだから、もう…もう、っ____
、
、
「俺の気持ち……考えたことあんのかよ、…っ」
私の肩に顔を少し埋めながら、そう、言った。
あまりにも弱々しいその声に、思わず顔を上げてしまった。
「っ……」
その表情はとても悲しそうで、掴まれた肩より、胸が痛んだ。
あぁ……私がこんな顔にさせてるんだ。傷付けてるんだ。
ごめんなさい、ごめんなさい……っ
心の中で何度も、謝った。その時。
、
《五条。Aの処刑は取り消された。
……望未の父親が頼んだらしい。
上の連中がお前を呼んでる、早く向かいな》
部屋のアナウンスに聞こえてきたのは硝子さんの声だった。
「……」
私が…婚約破棄することをまるで分かってたように、
上の連中にもう話してあるのね…
「……」
肩を掴んでいた五条さんの手が、するっ、落ちた。
そして
、
「……俺も嫌いだよ。」
そう言い、目隠しを元に戻しつつ、部屋から出ていった。
「……っ」
言われたって仕方がない
それぐらい酷いことをしたんだ
799人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アキ(プロフ) - 黒姫ユキナさんの作品どれも泣いてしまう作品ばかりでほんとに読んでて切ない、😭💕 (2022年10月28日 20時) (レス) @page21 id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - ドキドキとハラハラが止まりません…‼︎更新いつも楽しみにしています! (2022年10月27日 20時) (レス) @page44 id: ab187a6c5b (このIDを非表示/違反報告)
ラグすぎるって - 応援してます! (2022年10月27日 19時) (レス) id: 62ead42611 (このIDを非表示/違反報告)
ラグすぎるって - 夢主ちゃんが幸せになりますように! とても素敵作品で続きがとても気になってハラハラドキドキしてます! 更新頑張ってください!! (2022年10月27日 19時) (レス) @page44 id: 62ead42611 (このIDを非表示/違反報告)
︎︎ラムネ - 毎日読ませて頂いてます 🙏🏻 とても素敵な作品ありがとうございます 。 (2022年10月27日 6時) (レス) @page37 id: a6303a4f88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月21日 20時