好きだなんて 【宮侑】

14 苦手 ページ14

翌日3限目に体育があり、

更衣室でジャージに着替えてた時のことだ。






｢え！あんたまだ鈴木に告ってへんの！｣

｢うん...｣

｢はよ告白せえへんと、誰かに取られてまうで？｣






クラスの一部の女子たちが、

着替えながらそんな話をしていた。






｢(好きな人か...)｣






私には、到底出来そうもない話だ。






｢A！早く着替えへんとチャイム鳴るで！｣

｢あっ！急ぐ！！｣

｢ったくも〜、この子は｣

｢美樹が居なかったら多分私このままだった｣






美樹は、好きな人とかって居るのかな


・

・

・

｢今日は山田先生が体調不良でお休みなんで、
今回は男女同じスポーツやるでー｣






いつもの女子の体育を

担当している山田先生は休みのようだ。

嫌だなぁ、みんなに無様な私の運動オンチを

見せることになるなんて。






｢てことで、今日はバレーやります｣

｢やった！｣

｢宮は静かにするようにー。
男女別れてチームを作ったらゲーム開始や。解散！｣

｢侑！こっちや！｣

｢いいや、宮は俺んとこのチーム｣

｢(人気だなぁ、宮くん)｣






男子の方は、宮くん争奪戦が始まった。

さすが、バレー部。






｢西山さん、良かったらうちらとチーム組まへん？｣

｢運動オンチだけど...それでもいいなら｣

｢うちらもそんな大差ないから大丈夫！｣






私の方も、なんとか余らずチームが決まった。

良かった、ぼっちにならずに済んだ。






｢ていうか、西山さん運動オンチなん？｣

｢うん。球技は特にダメ｣

｢え？｣

｢受けたボールは全部私の方に跳ね返って来るから｣

｢.....災難やな｣

・

・

・

｢私、1番足引っ張っちゃうかも｣

｢あはは！大丈夫やって、たかが体育なんやから｣






まだ私たちのチームは出番がないため、

次に対戦する美樹たちのチームと

ステージの上に上がって話をしていた。






｢だってみんな上手｣

｢まあ、運動部入ってる子は上手いなぁ｣

｢大差あるじゃん！｣

｢あんたはボールを相手のコートに
返すことに集中しとき｣






目の前でバレーのゲームをしている女子たち。

みんな本当に上手で、次に対戦する私は

緊張のしすぎで具合が悪くなってきた。

あ、そういえば






｢美樹って好きな人いるの？｣

｢え！何急に！｣

｢気になって｣

｢ふふん、内緒！ほら次うちらゲームやで！行こ！｣






そう言う美樹の顔は、

どことなく赤みが掛かっていた。

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