28.静かな時間 ページ28
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北山さんのお宅にはテレビがない。
ニュースもパソコンで見られるから必要ないらしい。
食器を全部洗ってくれて、夕ご飯を食べた後は
静かな部屋でまったりタイム。
北山さんがお酒らしき瓶を片手にやってきた。
「桐谷さん日本酒は好き？」
「はい好きです」
「これ……風花って俺がラベル書いた日本酒なんだけど、依頼主が気にいってくれてさ二本送ってくれたんだ。だから１本持ってって」
「えっ？いいんですか？」
「いいよ」
渡してくれたその瓶は、淡いピンクの磨りガラスで桜の花びらみたいにとても綺麗だった。
「このボトルに、風花の文字が良く合いますね」
「そう？ありがと」
北山さんは照れ臭そうに少し笑うと「今ちょっとだけ飲む？」ってコップを持ってきてくれた。
えっ？……めっちゃ大きくないですか？
ちょっとだけじゃないけど。
「これしかコップないから」
マグカップみたいな大きさのグラスになみなみと注がれて「はいっ」て渡された。
ビールじゃないんだから……
思わず笑っちゃう。
北山さんてやっぱり変な人。
それから私たちはお酒を飲みながら色んな話をした
「まず言葉がありきというのが書なんだよ。言葉を無視する書家や、評価されたいが為にデザインばかり重視して言葉が二の次、三の次になっている書家。そんな奴らは書家と名乗る以前に根本が分かってないね」
「文字の形や筆つかいのテクニックは大切だと思いますけど」
「桐谷さん、もちろんそれは基礎だけど、書かれた筆跡に自然に表現された精神が大切なんだよ。わかる？」
書道の話をしている時は、凄く熱く語る人なんだなぁ……
「私には難しくてわかりません」
「俺の担当でしょ？、頼むよー」
彼の書道に対する想いを聞くのは楽しかった。
北山さんも私といて楽しんでくれているのかな？お酒がはいってるから饒舌なのかは分からなかったけれど、別に無口ってわけじゃないんだ。
ほろ酔いのところに、北山さんの低くて少し掠れた声が心地良い。
こんな生活をするようになったのは何故なのか？お父さんと一体何があったのか？とても気になったけれど、自分から話してくれるまで待とう。
話してくれる日はきっとくる。
何故かそう思えたんだ。
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siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お返事遅れてごめんなさーい！また来てくださったなんて感激です！星も嬉しいです。また書道やってほしいですね！ (2021年3月3日 19時) (
レス) id: ad892650f9 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 久しぶりに書道家の北山さんに会いたくなって来ました。いいね☆していなかったみたいでごめんなさい！右☆をポチッとさせて頂きました！ (2021年3月1日 0時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさーん！お待たせしました！パス付きの方は夜には外せると思います！遅くなってごめんなさい！ (2020年7月5日 16時) (レス) id: 05c0397959 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - ありがとうございます。明日明後日にはと仰っていたのでずっっと楽しみにしていました！これから読めるのが楽しみです。 (2020年6月5日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お待たせしましたー！2のパスワードを外しましたのでお知らせします。大好きと言って下さり感無量です！涙 (2020年6月5日 1時) (レス) id: f587e16f89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2016年6月4日 13時
