quiet room 3 ページ10
きっと
罪悪感を少しは感じているのだろう。
あの2人は捻くれてはいるけれど優しいから。
その中、長男も何か責任を感じているようで。
悩む素振りを見せるや否や何処かへ駆け出してしまう。
…そしてあのカラ松になってからは家中がピリピリしている事。これは誰もが分かっている。
逃げていても意味は無いのに。
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こんな緩い緩い風の中を
流れていくから
幼い日に
…
「 カラ松 」
「…ん?……あぁ、お前か。どうした?」
鏡の前で唐松が手を合わせ覗き込むようにしては名前を呼ぶ。俺は直ぐ駆け寄って用を聞く
それはあまりにも笑えない事で
唐松は笑みに弧を描く
「 よかったな 」
「…?」
「 もう少しでお前 」
「 俺に成れるぞ 」
何を言っているのかは分からなかった
けれど何となく意味は理解出来た
息を飲んだ
俺は優しさを求めていて、確かに俺は望んでここに来たんだ。
…こういう所が優柔不断と言われるのか
悩む程分からなくなって、頭の隅にあった幼い頃の思い出に手を伸ばした。
やくそく
やくそくだ!
約束?なんだ?
やくそくはな、かわすっていうんだ!
かわしたやくそくはわすれちゃだめなんだぞ
交わした約束…
「 もういいか? 」
ぱっと顔を上げては唐松を見る
心残りという事か
なんだか殺されるみたいだな…。
今までの永い永い暮らしの中
指先で探す
愛に会いに
「…最後の夜ならちゃんと聞かせて欲しい」
本当の事はもう、いいか。
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1度だけ。
1度だけ兄弟の元へ帰れる。
兄弟達は俺達の入れ替わりに気付いている。
ここまではいい。
けれどどうだ、心配はしているのか?
愛が理由なんて笑われるんじゃないのか?
…戻ってみればそれはきっと分かるんだよな。
な?
笑い声。
知らなかったんだ。
やっと部屋の空気が戻りかけていて
安堵の笑みなんだなんて
崩れ落ちてく
「笑ってる」
崩れ落ちてく
「楽しそうに」
今見た景色いつか見た景色も直ぐ褪せてく
襖にかけようとする手が止まる
散々だ。
流れ落ちてく
あぁやっぱりかと笑った俺の目元からは水が拭っても、拭っても拭っても落ちてきていて
流れ落ちてく
涙の行方をAは見たのか
はやくはやくはやく
消えなくては、消えてしまえ
どうせもう…
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十「兄さん…?」
…十四松だ
十「……なんで泣いてるの…?」
お前は優しい子だ、大丈夫だと。
そう言えば
目の前にいる五男も涙を流した
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ゆゆりんご(プロフ) - え、ボカロ?松??私得 (2019年11月12日 21時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋アダムスキー脊髄受信体▽(プロフ) - 長兄松ガールさん» わぁぁぁ!コメント初めて貰いました!!有難う御座います!!!嬉しいと思ってもらえて此方も大変嬉しいです!頑張るので結末まで良ければ見ていってくださいね!! (2018年6月7日 22時) (レス) id: be00fbf727 (このIDを非表示/違反報告)
長兄松ガール - おそカラと一カラスキなんではっきりいうとっっっても嬉しいです!しかもボカロ!嬉しいしか思わねえwこれからもがんばってくださいね! (2018年6月7日 0時) (レス) id: 141df8555e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:螺旋アダムスキー脊髄受信体▽ | 作成日時:2018年4月9日 23時