片想い . 12 ページ12
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『Aちゃん、Aちゃん、』
『今度、水族館デートせぇへん?』
バレンタインに、チョコを渡してから、今まで以上に私に絡んで来て、私を連れ回す先輩。
この間は、映画館。
そして今度は、水族館らしい。
「...今度って、いつですか?」
"行く" と決まったわけではない。
ただ、行くとしたら日時を聞いてその日に予定があるかどうか確かめなければいけない。
『明日』
「......は、?」
『水族館デート、明日。』
「ちょ、ちょっと待ってください。」
すぐにスマホをポケットから出し、明日の予定を確認する。
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“おめでとうございます!
"カップル" でご来館1万人目です!”
はめられた。
"予定ある" とでも嘘をつけば良かった。
なんなら大ちゃんか、いちかを連れてくれば良かった。
『今日な、俺ら以外お客さんいないらしいで。』
「..貸し切ったんですか。」
『まさか。たまたまやろ。』
嘘だ。
だってこの水族館、結構な頻度でテレビに出てるもん。
バラエティ番組のロケで水族館に行くなんて企画があれば、大抵はこの水族館でロケをやるらしい。
それに、この水族館でプロポーズをしたカップルは永遠に結ばれるとか、そんな感じのジンクスだってある。
そんなカップルやテレビロケの聖地とも呼べる場所に、お客さんが私たち以外にいないなんて、貸切でもしない限り有り得ない。
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作者名:ぽんず。 | 作成日時:2018年12月27日 14時