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お酒好きの剣士様と ページ3

王の気まぐれで開かれたささやかな酒の席。
ささやかと言いつつも王及び八人将とその部下たちの酒量はなかなかのもので、宴会と言われても仕方のないレベルだったが。

そんな最中、快活な声が部屋に響いた。


「よしA!飲み比べするぞ!」
「はァ?」
「……本気で引いた顔すんな頼むから」

傷つくだろ。

拗ねたように口を尖らせるのは、シンドリアの守護神八人将が一人、シャルルカンだ。


「お願いですから国民の前でそんな情けない顔しないで下さいね」
「うっせ」


冷たく言い放ったAだったが、しょぼくれるシャルルカンを暫く見つめると、クスリと笑って言った。


「今日だけですからね」
「ほんとかっ!?」


ほとんど反射のように表情を明るくするシャルルカンに、Aは苦笑した。


◆◆◆


──そして数十分後。


「シャルルカン様、起きてください」
「んー……うるせぇ、俺はまだまだ飲めるんだァ〜……」
「どう考えても飲めませんよね!?」


飲み比べの結果、勝者はA。
余裕で大量の酒を食らい平然とシャルルカンの肩をゆするAは、下手をすればマスルールと並ぶほどの大酒飲みだった。


「まったくシャルルカンは……そこまで強くもないのにAに飲み比べなど持ちかけるからですよ……」


呆れたように額に手をやるジャーファルは、
深く嘆息した。

隣で机に突っ伏すシャルルカン様は完全に酔い潰れていて、最早一人で部屋には帰れそうもない。
だが、だからと言ってまだ中盤の酒の席で、関係の無い他のメンツに運んでもらうのも気が引ける。


「私はだいぶ飲んだしなあ……」


仕方がないか、とAは呆れ返るジャーファルに声を掛けた。


「ジャーファル様、シャルルカン様は私が部屋にお連れします」
「え、良いのですか?貴女ほどならまだ飲み足りないのでは……」
「いえ、いいんです。どちらにしろ今日はあまり飲まないつもりでしたので!」


お任せ下さい!と胸に手を当てると、ジャーファルは微苦笑で「では、お願いします」と頭を下げた。

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ぴの(プロフ) - リクエストです!ジャーファルさんで謝肉宴お願いします!! (2019年1月15日 10時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
すず御前(プロフ) - スパルトスさまぁああああああああ (2018年2月16日 14時) (レス) id: 017ce6df75 (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - 素敵な小説ですね 。更新待ってます! (2018年1月13日 1時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
ミカノ(プロフ) - ネネさん» なんでもなんてそんなっ!めっちゃ照れます(*/□\*)っ できるだけ内容が被らないようにはしてるんですが如何せん発想力が乾物なもので^^; シチュの件分かりました!満足して頂けるよう頑張りますね! (2017年3月20日 23時) (レス) id: 76a07dd323 (このIDを非表示/違反報告)
ネネ(プロフ) - そうですね。ミカノさんの書くものはキュンと来てなんでも好きですが、アリババ君が夢主ちゃんを攻めてくれたらいいです! (2017年3月20日 21時) (レス) id: ffbb331e36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミカノ | 作成日時:2017年2月25日 21時

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