17、礼拝堂 ページ19
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外から修道院を観察していると不気味なくらい静かだった。
彼女の他にも子どもがいるということは聞いているが、それを含めてもだ。
微風が靡き、同じ長さに整えられた草むらが騒めく音しかしない。
不気味なくらい静かとは思うが、十字架が聳え立つこの修道院では神聖なる沈黙であるとも言えよう。
ある一角の外壁に、芸術的に彫られた窓ガラスがいくつか並んでいた。内部はカーテンで仕切られておらず、外から中を覗くことができる。
万一中に人がいることを想定してこっそり垣間見てみた。
まず最初に目についたのは、色彩豊かに描かれた天秤を持つ女神のステンドグラスだった。そのステンドグラスから差し込む陽の光が、神々の世界を幻出させている。
その下には一つの教壇と幾つもの長椅子が並んでいた。
どうやら、この部屋は礼拝堂に違いない。
彼女の言うお祈りとやらはいつもここで行われているのだろう。
「…あっ、」
思わず声が出た。
礼拝堂の教壇の後ろにある扉から、修道服を着た女性と老婆、そして例の彼女が現れたのだ。
どうやら、入れ違いになっていないようで安心する。
老婆と女性に、にこやかに話しかける彼女は私が普段見る彼女と同じだった。
遠目から見ても、なんて可愛らしい笑顔なのだろう。
礼拝堂の神聖な空気にあてられて、尚更その笑顔が美しく慈愛に溢れているように見える。
外からでは内部の会話は聞こえなかったが、前職から得た持ち前の読唇術で会話を読み取ろうとした。
しかし、彼女は突然話すのをやめてステンドグラスの方に向き、両膝を突いて手と手を合わせる。
彼女の横顔から見える唇の動きをよく観察した。
『今ここに、願い奉る。
荒廃した大地に肥沃の雨を。すべての子らに祝福を。罪人に相応なる制裁と救済を。
そして、どうか敬虔なる信徒に恵みを与え給え。
我らが神よ。
この世界に安寧なる光の現身となりて、顕現せん。
_____ここに、我が身を持って生贄を捧げる』
そう唱えた瞬間、彼女の周りから螺旋状の光の帯が瞬いて現れた。
それは次第に大きくなり、目を開けていられないほどの光となって礼拝堂を埋める。
あまりの眩しさに、外から覗いていた私は思わず目を逸らした。
光が薄れ、何が起きたかともう一度礼拝堂を覗く。
「____っ、あれは…！」
新たな景色に呼吸することを忘れてしまった。
荘厳に神秘的な光を放ち、彼女らを見下す大いなる存在。
そこには彼女が唱えた通り、“神らしきもの”が現れたのだ。
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ラザニア太郎(プロフ) - もちうさぎさん» もちうさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます^ ^可愛いと言っていただけて何よりです！そうですね…！修道服、もといシスターの着ている服を参考にデザインしました。ここで画質が悪いのが残念ですが、Twitterにも掲載しますので宜しければご覧ください (2022年11月11日 17時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ(プロフ) - 服が可愛いしシスターって奴だよね！ (2022年11月11日 16時) (レス) @page4 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年11月9日 16時
