33話 ページ49
小夜side
“綺麗”
この人は、僕の“
怒りと憎しみで
真っ赤に染まった僕を、綺麗だと
そんな言葉に、既に救われた
力強い言葉は、重く、鋭く、心の芯を刺すようで
激しく心を揺さぶられる
…この時点で僕は、もうこの人を信頼していた
そう思わせるものが、彼女にはある
堕ちたのは衝動的だったし、正気に戻れたから
人が違うことも知ってたから
彼女の事は、信じられた
…彼女こそ、彼女のその魂こそ、
あぁでも、あなたは
夜のように穏やかで、僕が打たれた時の炎のように苛烈な霊力
普段はひたすらに穏やかなんだろう
今だから、こんなにも燃え盛っている
“生きろ”という言葉が、こんなにも力強い
……生きたい……兄様達の分まで
この人のところで…
それが、守られた者の責務なら
…でも、僕はもう折れてしまっている
『君は散らすつもりか？君の兄達が守り抜いた、
それはあまりにも勿体無いじゃないか
こんなにも人を魅せる程鮮やかだと言うのに…私はもう魅せられているぞ？』
……凄い殺し文句だね
祟り場のど真ん中で言うことじゃないけれど
これ以上僕を赤くする気？
ちょっと言葉が苛烈過ぎない？
あぁ…もう……そんな強い眼差しを向けられたら
…そっちに“堕ち”たいと思うじゃないか
小夜「でも……僕はもう折れて…」
『小夜、私はそんな事は問うていない
ただ、このまま散るか、私のもとで生きるか、どっちを選ぶかを問うている』
……その二択なら、選択肢は一つじゃないか
小夜「生きたい、あなたのもとで」
『……あぁ、言い目をしているな』ﾆｯ
すると、この人は僕のに手を伸ばして
男くさい笑みを浮かべた
『なら私に振るわれろ。私の刀となれ
………さぁ、返答は？』
小夜「なる」
即答だった
だって、そんな熱い目を向けられたら
それしか答えが無いから
『ふふ、そうかい。ならおいで
と言っても、ここを浄化してからだけど』
小夜「……何か考えでもあるの？」
『あぁ。とても良い考えがね？』
そう言って彼女は
炎のような激しさを消し
ただ穏やかに、霊力を広げ始めた
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お萩(プロフ) - 猪鹿蝶とはNARUTOを意識したんでしょうか。違ったらごめんなさい。 (2021年1月25日 0時) (
レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
广 - 設定壱が前世になっていますが、今世では無いでしょうか (2020年12月21日 20時) (レス) id: 95efe95a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零月 | 作成日時：2020年12月6日 14時
