21話 ページ26
陽雨side
私の過去のを簡潔に纏めて話す
歌仙は時々驚いているけれど
静かに聞いてくれてる
…悲しそうな顔をさせちゃってるのは、申し訳ないな
『私は自害こそしたけれど、理由が理由ってことでそのまま転生出来たんだ
あ、因みにバ神どもはこってりしぼられてたよ^ ^』
歌仙「そ、そうかい」
ふふ、本当に優しい神様だねぇ
ポンポン
『あのね歌仙。私は、何一つ後悔してないよ
失う事もあった。傷付く事もあった
けど、これらは全て”今の私”を形成する要素の一つ一つなんだ
その中には、苦しい事以上に幸せな事があったし、素晴らしい出会いがあった
私は“私”として、悔いなく生きた。全部私の誇りだ
だから、大丈夫なんだよ』
かけがえのない仲間が出来た
気の許せる友人が出来た
最後まで精一杯足掻いて、満足に生きられた
失う事の方が多かったけど、救えたものも確かにあった
そして何よりも…今、こうして生きて
歌仙と出会うことができて
確かに私はここに“在る”んだから
『それにね?過去は所詮どこまでいっても過去に過ぎない
大切なのは“今”がどうか
過去は、己を縛る要因とはなり得ない
だって、“今”の私と“前”の私は、別物でしょう?』
歌仙「!…そ、うか……そう、だね」フワッ
そう、過去は今を形成しているけれど
過去と今は決して同じでは無い
だから、それに縛られる必要など一ミリも無い
歌仙は、たぶんだけど、過去の“鎖”が少しずつ、少しずつではあれども
着実にほどけていっている
このままなら、きっと大丈夫だ
『…うーん、寝物語にはならなかったね(苦笑)』
歌仙「…でも、嬉しいよ。君が、話してくれて」
『そう。さ、そろそろ寝ようか』
そう言うと、歌仙の体が若干強張った
ギュッ
『大丈夫。ちゃんと私はここにいる
側にいて、手を繋いでいるから
安心してお眠り』
片手を握ってやると、安心したようだ
さて、子守唄でも歌おうか
ポン ポン
『〜〜〜♪』
“小山の子うさぎ”
確かこの子守唄、炭治郎も歌ってたね
歌詞を聞くと、なんとも滑稽な唄
小山の小さな子兎の可愛い疑問
でも、どこか懐かしくて、ホッとする唄だ
歌仙「……なら、君の目が鏡のように綺麗なのは
君の母親が、幼い時に、銀色の実を食べたからかい?」クスッ
『……――――』ニコッ
歌仙のそんな問いかけに、ただ微笑みで返した
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お萩(プロフ) - 猪鹿蝶とはNARUTOを意識したんでしょうか。違ったらごめんなさい。 (2021年1月25日 0時) (レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
广 - 設定壱が前世になっていますが、今世では無いでしょうか (2020年12月21日 20時) (レス) id: 95efe95a5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零月 | 作成日時:2020年12月6日 14時