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8話 ページ13

歌仙side

ガキンッ





審神者に斬りかかったけれど





鞘に納められたままの大太刀で防がれた





……随分大きな刀だな





審神者は大分余裕そうだ





これだけ大きな刀を使っているんだ





腕が立つんだろう





カタカタ





歌仙「ッ……!」





頭の中は冷静なのに





これまでの経験からか





体に審神者への恐怖が染み付いている





人間を認識しただけで





自然と体が震えてしまう





震える手を抑えて





審神者を睨み付ける





……彼……いや、彼女か……?





背は高めで顔立ちも中性的な上に着物は男物の着方だが、女性…





いや、まだ少女の年齢だろう





その割には大人びていて、平安刀を思わせる





夜のような勝色の長髪に鏡のように澄んだ銀色の瞳





どこか浮世離れした美しさがあり、僕ら刀剣男士と遜色ない





正直、大太刀の刀剣男士と言われれば納得してしまいそうだ





……ただ、全てを写すような瞳は…





僕の全てを見抜かれているようで、少し怖い…





『初めまして、歌仙兼定。私はここの審神者の十七夜だよ』





十七夜と名乗った人間は





優しい眼差しで、けれどしっかりと“僕”を見据えて





女性にしては少し低めの、柔らかい声で話してきた





……もしかしたら、彼女は信じられるかもしれない……





たった今あったばかりだというのに





何故かそう思ってしまう自分がいる





…彼女の雰囲気が、そうさせる





そんな自分を無視して





“信用しない”





そうぶつけるように言うと





彼女は軽い口調で“それで構わない”と言った





……まさかそんな返しをされるとは思っていなかったから、少し呆けてしまったよ…





『何を呆けてるんだか…』





歌仙「…え、いや、だって…僕は斬りかかった上に、信用しないと言ったんだよ…?」





頭が混乱していて、思わず普通に聞き返してしまった





至極当然の反応だと思いたい





『そんな直ぐに信用しろなんて無茶言わないよ(苦笑)

取り敢えずは見定め期間って事で、好きに……と言ってもまぁ、整理すると良いよ』





僕の複雑になっている心情を察してか





要するに、彼女は僕に“時間”をくれた





そんな彼女の気遣いが





苦しいくらいに心地良い

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お萩(プロフ) - 猪鹿蝶とはNARUTOを意識したんでしょうか。違ったらごめんなさい。 (2021年1月25日 0時) (レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
广 - 設定壱が前世になっていますが、今世では無いでしょうか (2020年12月21日 20時) (レス) id: 95efe95a5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零月 | 作成日時:2020年12月6日 14時

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